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06月19日-03号

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  1. 高知市議会 2019-06-19
    06月19日-03号


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    令和 元年第470回 6月定例会 第470回高知市議会定例会会議録第3号━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  議事日程 第3号 令和元年6月19日(水曜日)午前10時開議第1 市第65号 令和元年度高知市一般会計補正予算 市第66号 高知市森林環境整備基金条例制定議案 市第67号 高知市税条例等の一部を改正する条例議案 市第68号 高知市手数料並びに延滞金条例の一部を改正する条例議案 市第69号 高知市放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例議案 市第70号 高知市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例議案 市第71号 高知市消防本部及び消防署の設置等に関する条例の一部を改正する条例議案 市第72号 高知市火災予防条例の一部を改正する条例議案 市第73号 令和元年度高知市国民宿舎運営事業特別会計補正予算についての市長専決処分の承認議案 市第74号 高知市介護保険条例の一部を改正する条例についての市長専決処分の承認議案 市第75号 高知市税条例の一部を改正する条例についての市長専決処分の承認議案 市第76号 指定管理者の指定についての市長専決処分の承認議案 市第77号 土地取得議案 市第78号 不動産取得議案 市第79号 高知市デジタル固定系防災行政無線整備工事請負契約締結議案 市第80号 潮江市民図書館耐震補強及び大規模改修工事請負契約締結議案 市第81号 東部環境センター長寿命化整備工事請負契約締結議案 市第82号 救助工作車Ⅱ型購入契約締結議案 市第83号 13メートルブーム付多目的消防ポンプ自動車購入契約締結議案 市第84号 訴訟の提起について 市第85号 調停の申立てについて  ────────────────  本日の会議に付した事件日程第1 市第65号議案から市第85号議案まで  ────────────────  出席議員1番 島崎 保臣君  2番 甲木 良作君3番 木村  亘君  4番 細木  良君5番 浜口佳寿子君  6番 神岡 俊輔君7番 岡崎 邦子君  8番 迫  哲郎君9番 はた  愛君  10番 深瀬 裕彦君11番 長尾 和明君  12番 田鍋  剛君13番 下本 文雄君  14番 下元 博司君15番 岡崎  豊君  16番 近藤  強君17番 戸田 二郎君  18番 横山 公大君19番 高橋 裕忠君  20番 海治甲太郎君21番 吉永 哲也君  22番 清水おさむ君23番 大久保尊司君  24番 伊藤 弘幸君25番 氏原 嗣志君  26番 平田 文彦君27番 和田 勝美君  28番 西森 美和君29番 寺内 憲資君  30番 川村 貞夫君31番 竹村 邦夫君  32番 福島  明君33番 山根 堂宏君  34番 高木  妙君  ────────────────  説明のため出席した者      市長      岡崎 誠也君      副市長     吉岡  章君      副市長     中澤 慎二君      総務部長    大野 正貴君      財務部長    橋本 和明君      市民協働部長  谷脇 禎哉君      健康福祉部長  村岡  晃君      こども未来部長 山川 瑞代君      環境部長    宮村 一郎君      商工観光部長  森田 洋介君      農林水産部長  高橋 尚裕君      都市建設部長  林 日出夫君      教育長     山本 正篤君      上下水道事業管理者              山本三四年君      防災対策部長  松村 和明君      消防局長    本山 和平君      監査委員    藤原  敏君      選挙管理委員会委員長              稲田 良吉君      財政課長    澤村 素志君  ────────────────  事務局職員出席者      事務局長    藤原  哲君      事務局次長   池畠 正敏君      事務局参事   山崎 敬造君      庶務課長補佐  谷村 守敏君      議事調査課長補佐広松 康児君      議事調査課法務担当管理主幹              竹村 博和君      議事調査課管理主幹              中須賀広典君      秘書係長    西  理恵君      調査係長    田村 章代君      議会庶務担当調整官              松下 智子君      書記      川村 浩之君  ~~~~~~~~~~~~~~~~  午前10時0分開議 ○議長(田鍋剛君) これより本日の会議を開きます。  ~~~~~~~~~~~~~~~~ △日程第1 市第65号議案から市第85号議案まで ○議長(田鍋剛君) 日程第1,市第65号議案から市第85号議案までを一括議題といたします。 これより質疑並びに一般質問を行います。 通告がありますので,順次発言を許します。 氏原嗣志議員。  〔氏原嗣志君登壇〕 ◆(氏原嗣志君) おはようございます。新こうち未来の氏原でございます。再びこの場に立たせていただくことに感謝をいたしております。我が会派も少数となりましたが,同僚・先輩議員と同様に市勢発展のため頑張る所存でございますので,よろしくお願いを申し上げます。 それでは,通告により質問に入らせていただきます。 まず,政治姿勢から入らせていただきます。 このたびの市議会選挙,皆さんはどのように分析されておられるでしょうか。私は,過去の自分の選挙とは違ったものと受けとめております。私のような地域を主体とした地域選挙は,ますますその運動が厳しくなるように思いました。 投票率の問題もありますが,主としたら1つに,高齢化の中で高齢者の方が選挙に行かない,行けない実態。今まで応援をしていただいた方が病院に入院,または施設に入っておられる。 2つ目に,若者が選挙に行くのが無関心ではないか。親が促しても行くように言わない。政治に無関心,候補者を知らない。そしたら,支持者はその中間の年齢層の方々になってくるのであります。 3つ目に,そんな中で地域の中での競争,市内地域に入るにしても,友人,知人,縁故を頼っての運動は,大変ありがたいけれども,限界にあるように思いました。 結果として,今回の選挙は政党の皆さんや組織,団体の皆さんが上位を占めての数字が顕著にあらわれました。 私も過去,町長選挙2回,市議会選挙3度の選挙を戦いましたが,今回は何か見えない雰囲気を感じたのであります。 前段申し上げた内容はもちろんでありますが,実感として私以上の年齢の方,支持をしていただいた方々が年をとって応援ができない。地域を歩いていても,年をとった方々が家にいなく,雨戸が閉まり,市内の子供さん宅にいるよ,そんな声と実態を見,聞いたのであります。 市域の周辺での選挙を戦う者にとりまして,ますますこのような状況が顕著になるものと思われます。 そこで,市長も秋の陣を控え,今回の市議会選挙をどのように思われておるかを,お聞かせください。 次に,西敷地についてお尋ねをいたします。 今回の市議会選挙でも大きな争点とはなりませんでした。現状では白紙化と言っていいでしょう。しかし,今後の作業を経て,引き続き提案型の方式を考えていることを示されております。 先日,まちづくりの特別委員会でこの問題についても報告がありました。その基本方向は変わっておりません。 そこで,幾つか確認をさせていただきたいと思います。 1つに,平成29年7月に策定をした新図書館西敷地利活用事業基本方針の方向性は変わらないということでよろしいでしょうか。市長の認識をお伺いいたします。 次に,平成28年11月に実施した西敷地活用事業に関する市民アンケートの結果,西敷地にふさわしい機能であるとされた上位4項目が,今後実施を予定している公募型プロポーザルの提案内容の主要部にならないといけないと私は思っております。 その全てが出発点ではないかと思いますが,市長の認識をお伺いいたします。 3つ目に,今後商店街の関係団体や町内会連合会などの団体の皆様と意見交換会を開催することとしていますが,具体的にはどのような作業をしようとしているのか。 また,市民の皆さん,各種団体を代表される皆さん,市民の皆さんにもそれぞれ賛否両論があります。 今後,どのように意見を集約していくのか,市長にそのお考えをお聞きいたします。 次に,質問ではございませんが,一言申し上げたいと存じます。市長の政治姿勢の最後に,新食肉センターについて一言申し上げます。 新食肉センターについては,この議会でもさまざまな議論を継続しているところでございます。また,開会日には代表者会におきまして高知県の農業振興部から説明もありました。3月議会で県への負担金を可決いたしましたが,執行は市長の判断であります。 これまでの経過を踏まえると,節目節目で議会へ詳細な説明があってしかるべきと考えます。特に協定書の内容については重要と考えております。 そのことを市長,議長に要請しまして,次の項目に移らせていただきます。 春野小松の沼の問題であります。 昨年の6月議会において,市長より積極的に踏み込んだ発言がありました。吉岡副市長が主催される土地対策委員会で具体的に分析,対応をするとの返事をいただきました。この1年が経過して,その対応の内容が全く見えてきません。何をしているのかと思うのであります。 どのような作業をしているのか,お示しください。 毎日のごとく残土が搬入されてきています。現地は大きな山となっていますが,その遊水地のほとんどが埋め立て状態となりつつあります。 そこで,お聞きをいたしますが,過去の説明会で市の執行部から,届け出以上のものが実態としてあると地元の皆さん方の前で報告があり,初めて条例違反を認めたのであります。 その経過は間違いないか,確認のためお聞きをいたします。吉岡副市長よりお願いいたします。 次に,その届け出について,現時点で変更手続がされているのかをお聞きいたします。 また,私たちはこの問題解決の手段の一つとして,青線,すなわち市が管理する排水路の確保を訴えてまいっております。 先日11日,吉岡副市長ほか関係者の皆さん方が現地に行かれたようですが,その実態を見られ,どのように思われたのか,現状認識を吉岡副市長にお聞きをいたします。 ここで,識見があられる監査委員さんにお聞きをいたしたいと思います。この問題ということでなしに一般的な事例として,御見解をお尋ねしたいと思います。 1つに,市町村事務として,公有財産は責任を持って管理をしなければならないとあります。市民は,私たちの公有財産である今回のような青線,公有財産がなくなる,ちゃんとした管理をしてほしい,そんなお願いをここ数年してきておりますが,そのことができていない。 監査の立場でどのような御見解をお持ちか,お聞きをいたします。 次に,条例の是正についての見解についてお聞かせください。 現状の土地保全条例については,市民側から見て不利益が生じる内容であることを前提に,その是正をお願いしてきております。 1つに,届け出制ではなく許可制にする。 2つ目に,届け,許可の前提として面積の制限や地域の住民団体の同意を必要とする。 3つ目に,罰則規定を設ける。 以上のことについて,御見解をお聞きいたします。 次に,はりまや橋公園改修についてお聞きをいたします。 過去にはりまや橋公園の西,東の通行部分の板張りが腐食,欠損等により,非常にみっともない,恥ずかしい,観光の目玉であるはりまや橋公園が泣いているとの訴えをし,改修をお願いし,改修していただきました。 今回,その意味も兼ねて現地に見に行きますと,これまたはりまや橋の本体部分の通行部分の板張りが劣悪な状態といいますか,また袖というかエプロン部分が色あせ,見た目には,何だこれはと思う光景を見てきたのであります。本市を代表する名所はりまや橋,観光サイドからの点検,整備が必要と考えます。 そこで,お尋ねいたしますが,観光客が見たとき,高知の観光の目玉とは疑うばかりであるこのはりまや橋,観光を所管する部署として,はりまや橋公園のみならず,本市の観光名所の点検もし,必要な箇所についての対応が必要と思いますが,いかがでしょうか。 所管する中澤副市長に,その認識をお伺いします。 次に,カツオ産業についてお尋ねをしたいと思います。 一事業者への支援ということではなしに,カツオ観光,カツオ文化という面から支援ができないか,そんな観点から市長に音頭をとってもらいたいのであります。 本市での水産業者の役員の方から相談をいただきました。マイナス50度以下の超低温冷蔵庫の更新について,行政としての支援がないかと,そんな内容でありました。 カツオに関する本市の観光,カツオ文化の伝統,貢献は誰もが認めるものと思います。その事業者は,高知県のカツオ・マグロ産業について営業用の大型超低温冷蔵庫を保有している唯一の事業者であると聞きました。 秋から春にかけてその入荷がない時期に,量販店,旅館,飲食店等に出回る冷凍物は,そのほとんどがこの事業者がその役割を担っていると聞きました。 これまでの企業努力によって維持をしてきたが,その負担が余りにも大きく,この事業者のみで維持するのは困難とのことであります。このような時期に,30年以上たった冷蔵庫が頻繁に故障があり,お客様に迷惑をかけている状況下で,応援を求めておるのであります。 担当部局には再三再四御相談をしているようですが,現行制度の中での支援策には届かない点もあり,何らかの制度の新設等も含めて市長にお願いするものであります。 高知県のカツオ産業は,観光のみならず地域経済の発展には欠かすことができない産業であると思います。冷凍カツオが消える事態となったとき,高知県,高知市にとってどうなのか。 そこで市長にお願いしたいのは,高知県産業振興計画の中に組み入れていただき,県市連携の中でカツオ文化が消えることがない手だてを構築していただきたいのであります。 積極的なお考えをお聞きいたします。 次に,障害者支援についてお尋ねをいたします。 障害者の皆さんへの支援につきましては,御配慮をいただき,感謝を申し上げておるところであります。今回も新庁舎完成に伴い,障害者団体を初めとした販売コーナーにつきまして,御高配をいただいておるようでございまして,まことにありがたく思うところであります。 これからの協議につきましては,高知市社会福祉協議会の吉岡会長が御理解をいただき,窓口となっていただきましたので,今後につきましてはよろしくお願いを申し上げます。 そこで,障害者施設の大きな課題の一つに利用者の皆さんへの賃金の向上でございます。 工賃と言うようでございますが,私もそのかかわりの一人として,この対応に随分苦慮をしているところもございます。 そこで,市域での現下の状況,目標,平均値についての認識をお聞かせください。 また,障害者支援として市の委託業務であります道路清掃がございますが,この施策は受託する法人,施設にとりましてはまことにありがたく,賃金底上げの大きな事業であると聞いております。 そこで,お聞きをいたしますが,この事業が廃止されるような情報が入ってきました。 福祉施策の一つとして,環境美化・ごみ減量推進事業の存続,継続を強くお願いするものでございますが,その御見解を環境部長にお聞きをいたします。 以上で,第1問といたします。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) おはようございます。段々の御質問をいただきましたので,私のほうからは3点につきまして,お答えを申し上げたいと思います。 最初に,今回の市議会議員の選挙につきましての御質問がございました。 今回の選挙につきましては,非常に投票率も過去の経過からずっと下がってきておりますので,非常に憂慮をしております。 特に若い方々を初めとします投票率が著しく低いということについても,非常に危機感を持っておりますが,今回の市議会議員選挙の中でもう一つ気になることがございまして,これまで他の世代に比べて政治的関心が高いと一般的に言われてきました50代の世代,また60代の世代の投票率が下がってまいりました。 投票率につきましては,選挙の争点や候補者の顔ぶれなど,さまざまな要素が総合的に影響するものと考えられますが,選挙におけます活動の中で貴重な投票権を大切にした上で,選挙を棄権することがないよう,そのことを広く訴えていく必要があるとともに,特に期日前投票がかなり簡素化されてきておりますので,投票率が高い商業施設での期日前投票の仕組みを,さらに有効に構築をしていく必要があると考えているところでございます。 なお,50代,60代の投票率がどうしてこんなに下がってきたのかということにつきましては,さらに分析をしてまいりたいと考えております。 次に,西敷地に関連する御質問にお答えを申し上げます。 本市としまして,西敷地に新たな中心市街地の魅力を創出し,来街者,町に来る方々の来街者数の増加や人々の回遊性の向上につなげることで,中心市街地の活性化を図っていこうとする本市の基本的な方針に変わりはございません。 中心市街地の活性化に効果的な整備を実施すること,また土地の貸し付けによる民間活力の活用,公募型のプロポーザルによる事業実施候補者の決定を3本柱とします平成29年7月に策定をした西敷地の利活用事業の基本方針の方向性を基本的に変更するということは考えておりません。 今月から実施する予定の各種団体との意見交換会の中でそれぞれいただきました御意見を踏まえながら,今後市議会とも御相談し,また御意見を賜りながら,募集要領等の具体的な検討を進めてまいりたいと考えております。 続きまして,各種団体の皆様方と行う意見交換に関する御質問にお答えを申し上げます。 今回の意見交換会では,西敷地の利活用事業のこれまでの経過や,新図書館西敷地利活用事業の基本方針について,今回の説明会でも御説明を申し上げまして,各団体の皆様に本事業の目的等を理解していただきますとともに,平成28年11月に実施をしました,御質問の中でも触れていただきましたが,市民アンケート結果も御紹介をさせていただいた上で,西敷地にふさわしい機能や事業者の選定のあり方などについて,改めて御意見を賜ってまいりたいと考えております。 この意見交換会の実施後には,いただきました御意見を集約いたしまして,先ほどの平成28年11月の市民アンケートの結果と照らし合わせ,西敷地にふさわしい機能について,市民の皆様のニーズの変化について検証しますとともに,市議会にも御相談を申し上げながら,募集要領に規定をすべき要件等の検討に意見を反映してまいりたいと考えております。 次に,公募型のプロポーザルの提案内容に関する御質問にお答えをします。 平成28年の市民アンケートで得られました結果をもとにしまして,新図書館西敷地利活用検討委員会におきましてそれぞれ分析をしていただきまして,A評価とされました4項目,これは100点を超えるものがA評価ということになっていますが,広場機能,家族で訪れて子供が安全に遊ぶことができる機能,観光客のリピーターをふやすことができる機能,日曜市やよさこい祭りを充実,発展させるための機能,この4つの項目が100点を超えていましたので,A評価ということにしておりますが,この4つの機能につきましては,市民アンケートの上位の4項目と合致をしているものでございます。 平成29年9月に公示をしました前回のプロポーザルの募集要領では,この4機能のうちの2つ以上の機能の導入を必須要件としまして,中心市街地の活性化に効果的な事業を御提案をいただくということにしておりました。 今回,再公募の実施ということにつなげていくためには,今回行います各種団体の意見を踏まえ,また市議会からのさまざまな御意見もいただきながら,この4つの機能を軸にしながら,募集要領等について検討していきたいと考えております。 私の最後になりますけれども,カツオの超低温の冷凍庫の更新に関する御質問にお答えを申し上げます。 高知にとりまして,御質問にもありましたとおり,カツオは漁業のみならず,観光や食文化の面でも非常に重要な資源であります。高知の観光客はさまざまな目的がありますが,かなりの部分がカツオを食べに高知へ来るという方々がたくさんおられますので,そういう意味でも重要でございます。 近年のカツオ漁獲量の減少傾向を危惧し,平成29年に高知に,また日本にカツオを取り戻すことを目的に,高知カツオ県民会議が発足をしておりまして,カツオ資源を守る取り組みが進められていることを頼もしく思っております。 全国一を誇りますカツオの消費量はもとより,カツオのたたきは県外からの観光誘客への重要なツールとなっておりますので,高知を代表する食材のカツオの提供を続けていくということは非常に重要であります。 御質問をいただきました案件につきましては,昨年8月に水産物を取り扱う冷蔵倉庫の事業者から,カツオやマグロの保管に欠かせない超低温の冷凍庫の更新に対する支援について御相談が農林水産部にあっております。 この事業者は,県内でカツオの漁獲から加工販売までを一手に自社で行う会社は1つございますが,その冷凍カツオ専門の業者を除きますと,県内で超低温の大型営業倉庫を有する唯一の業者であります。 秋から春にかけての鮮魚としてのカツオの入荷がない時期を中心に,高知県内で出回りますカツオの流通,供給の相当分の仕事を担っていただいておりますが,現在の冷凍設備は老朽化により頻繁に故障が発生をしておりまして,設備の更新ができない場合は将来的に県内の冷凍カツオやマグロの流通に支障が出るおそれがあると,そういう御説明をいただいております。 この御相談を受けまして,昨年10月及び12月に関係する事業者,また高知県,高知市,この3者で超低温冷凍庫の更新に関する協議を重ねてまいりましたが,現時点ではまだ解決に至っていないのが現状でございます。 高知県におけますカツオの安定供給の重要性は,先ほど申し上げましたとおり,非常に強く認識をしておりますので,今後におきましても高知県と連携を図り,どのような具体的な支援ができるかということを検討してまいりたいと考えております。 その他の御質問につきましては,両副市長及び関係各担当部長等からお答えを申し上げます。 ○議長(田鍋剛君) 吉岡副市長。 ◎副市長(吉岡章君) 私のほうからは,小松の沼に関する御質問に,順次お答えいたします。 まず,土地対策委員会での検討状況でございますが,昨年7月より幹事会を3回開催し,関係各課が小松の沼に関する問題点の洗い出し,そして対応策について協議を行ってまいりました。 その中で問題点として,条例制限,境界確定,浸水対策の3つの課題等を中心に対応策等について検討をしてきたところでございます。こうした幹事会での検討内容を踏まえ,先月5月末に審査会を開催し,幹事会において整理した課題の報告を受けております。 具体的には,小松の沼の問題を解決する手法として,条例改正による制限の強化を図ること,境界確定を行うこと,排水対策を行うこと等,各対応策やメリット,デメリット,実現の可能性等について詳細な報告がありましたが,それぞれの手法を単独または複合的に行う場合におきましても,その手法に条例改正の適用時期や土地所有者の意向,そしてその事業を行う際の財政負担等,さまざまな課題が存在しておりますので,今後とも仁ノ,小松の沼を考える実行委員会の皆様等と十分に協議を行いながら,慎重に検討を進めていく必要があると認識しております。 特に仁ノ地区の排水対策につきましては喫緊の課題というふうに考えておりまして,市として湛水防除事業を進めているところでございますが,現状の水路機能を適正に維持することが重要でありますことから,仁ノ排水機場のポンプを稼働し,小松の沼に流入する周辺水路の水位変化や河床高の測量を行い,排水状況の把握を行った上で,通水機能の支障となっていた堆積土砂のしゅんせつ作業を早急に実施したところでございます。 この小松の沼を考える実行委員会からは,せんだって一緒に視察もさせていただきましたけれども,今回新たに整備をしました仁ノ排水機場のポンプが十分その機能を果たしていくためにも,小松の沼の北側の東西及びその東西の水路に流入する南北の排水路の早期整備を強く要望されておりますので,用地買収等,地元の皆様の御協力もいただきながら,早急に排水路整備に取り組んでまいりたいと考えております。 2点目に,地元の説明会においての経過でございますが,小松の沼の造成状況につきましては,平成27年と30年に高知市より地元住民の方に説明を行っております。 その中で,造成行為が届け出範囲を大きく超えて行われている状況を報告させていただき,高知市としましては,区域拡大の変更届を提出させるのではなく,届け出どおりの形で早期に造成を完了させるよう,今後も粘り強く行政指導を行っていくことを報告しております。 その次に,届け出の変更手続についてでございますが,平成22年に工事計画の届け出を受理して以降,2回の工期延長の手続が行われておりますが,27年に地元の皆様と確認をした方針に基づき,区域拡大の変更届け出を受理するのではなく,届け出をした内容どおりの造成で完了させるよう,継続して指導を行ってきたところであり,現時点で造成計画の変更の届け出はなされておりません。 最後に,小松の沼の現状認識ということでございますが,先日11日に現地へ赴きまして地元の方と一緒に直接お話もさせていただきました。地元の皆様からは,造成地の周辺にはアシの繁茂や土砂が堆積した状況が見られ,排水機能が不十分であるため,埋め立てをこれ以上進めずに,排水機能を確保する方策について,地元住民や造成主との協議の要望を受けました。 今回,地元の皆様の御意見を伺いながら,一緒に現地の確認を行ったことで,まずは現在高知市が進めている湛水防除事業を一日も早く完了させることが重要であると再認識をしたところでございます。 ○議長(田鍋剛君) 中澤副市長。 ◎副市長(中澤慎二君) はりまや橋公園を初めとする観光名所の点検についての御質問にお答えします。 県外から高知を訪れていただいた皆様が気持ちよく本市を観光いただくためには,観光施設等の整備を初め,ホスピタリティーの向上などにより,また高知に来たいと思っていただける取り組みが重要であります。 このため,桂浜公園やはりまや橋公園など,本市が所管する観光地につきましては,指定管理者制度や業務委託などにより,日々点検を行い,軽微なものについてはその都度対応をいたしておりますし,その他の場合も,本市の観光にとって重要な施設は個別に緊急性や国等の財源が確保できるかなど,総合的に判断をし,随時対応を図ってまいりたいと考えております。 御質問の京町側のはりまや橋公園にあります木製のはりまや橋は,昨年度に改修が完成しました木製デッキと同じ平成10年に施工されたもので,完成から20年以上経過しているため,橋の通路面の板やはり,桁を雨から守るために橋の外側に設置している雨覆いが全体的に老朽化しております。 このため,市民や観光客の皆様の安全確保などで必要な箇所について早急に対応いたしますとともに,改修に向けた財源の確保にも取り組んでまいりたいと考えております。 ○議長(田鍋剛君) 村岡健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(村岡晃君) 障害者施設等における賃金等に関する御質問にお答えをいたします。 賃金あるいは工賃が発生をする障害福祉サービスは,主に就労継続支援A型,就労継続支援B型の2つのサービスがあります。 このうち就労継続支援A型は,雇用契約に基づく利用であるため,労働基準法に基づく最低賃金が保障されます。 一方,雇用契約に基づかない利用である就労継続支援B型の工賃の低さは従来から課題とされております。雇用契約に基づかない就労支援B型の工賃につきましては,平成29年度の数値になりますが,全国平均月額が1万5,603円に対して,高知市は1万8,735円と,3,000円ほど上回っているものの,高知県平均の1万9,694円からはやや低い水準となっております。 こうした平均工賃が月額2万円にも満たない状況の課題解決に向けまして,全都道府県ごとに就労継続支援B型を対象とした工賃向上計画を策定することとされ,平成30年度からの高知県工賃向上計画では,最終の令和2年度末の目標工賃額を月額3万5,000円として,向上に向け取り組んでおりますので,本市としても必要な支援を行ってまいりたいと考えております。 ○議長(田鍋剛君) 宮村環境部長。 ◎環境部長(宮村一郎君) 環境美化・ごみ減量推進事業に関する御質問にお答えします。 本事業は,高知市地域雇用特別対策事業実施要綱に基づき,高知市廃棄物の減量及び適正処理等に関する条例により指定した環境美化重点地域である高知駅周辺や市内中心部において,環境美化活動及びごみのポイ捨て禁止の啓発活動を行うものでございます。 本事業のこれまでの経緯を申しますと,平成14年度から国の基金を活用した放置廃棄物回収事業として,緊急かつ臨時的な雇用,就労の機会を設けることを目的に事業を開始しましたが,国の基金事業の終了に伴い,17年度からは本市単独の雇用創出事業として,現在の事業名称,内容に見直しを行い,また24年度からは地方自治法施行令第167条の2第1項第3号に基づく随意契約,いわゆる3号随契として,高齢者就業支援団体や障害者福祉関係施設へ委託をしてきております。 現在,本市単独の雇用創出事業は本事業のみであり,ほかの事業は平成26年度末をもって終了している状況でございます。 環境部としましては,環境美化やごみのポイ捨て禁止の継続的な啓発活動は必要と考えておりまして,また先日行われました初夏の町を美しくする運動の一斉清掃において,ごみのポイ捨てが減少傾向であることなど,本事業を実施してきたことにより効果は出ているものと考えております。 厳しい財政状況でありますが,今後環境美化重点地域内におけるごみのポイ捨てが多い場所の把握や啓発,清掃ルートの変更など,業務効果をさらに高めるための見直しを行いながら,事業を継続してまいりたいと考えております。 ○議長(田鍋剛君) 藤原代表監査委員。 ◎監査委員(藤原敏君) 小松の沼関連でございますが,公有財産の管理に関する監査の立場での一般的な見解ということでございます。 監査委員による監査は,地方自治法第199条に基づき,公正,適法で合理的,効率的な地方公共団体の行政の確保を目的とし,年間監査計画及び個別監査実施計画を立てて,これらの計画に基づき実施をしております。 議員御質問の一般的な監査の事例といたしまして,先ほど申しました実施計画に基づく監査の中で,公有財産の管理においてその管理行為が適正を欠いているという事実が確認された場合には,監査指摘基準に基づき,監査委員の合議によります指摘などを行うこととなります。 次に,条例の是正についての見解ということでございます。 御案内のように,監査委員の行う監査の対象といたしましては,原則として地方公共団体の経営に係る事業の管理,それに地方公共団体の財務に関する事務の執行でございまして,条例そのものについては監査の対象にはならないと考えているところでございます。 以上でございます。 ○議長(田鍋剛君) 氏原嗣志議員。 ◆(氏原嗣志君) 第2問をさせていただきます。 西敷地の関係ですけれども,3本柱の関係,いわゆる柱については変わらないというところの内容でございましたけれども,あわせてA評価についての4機能,これと整合するかというところに前回も疑問に思いました。いわゆる4機能を重視するならば,超高層マンションが何で出てくるかなというような疑問を抱いたことがございました。 それはそれとして,いずれにしましても市民が望んだ4項目の創造する西敷地の広場,そういったところを大事にしなくてはならないというふうに聞き取りしたので,その点についてはよろしくお願いを申し上げたいと思います。 それから,今後の作業の中で,それぞれの団体,関係者の皆さんの意見を聞くということは大事だというふうに思いますけれども,その集約が本当にできるのかというところを疑問に思います。 イエス,ノーという答えが出るような内容ではないと思います。業界の皆様方についてはその方向は出るでしょうけれども,町内会の皆さん方の意見ということになると,割れていくように思いますし,私どもが街頭署名をしたときについても,それぞれの意見がございました。 そんなことを思うと,集約し,その4項目について照らし合わせながら議会に相談するといった作業が具体的にできるのかどうか,そういったことを思うところでございますが,いま一度市長に,そのことについてお聞きをしたいと思います。 それから,小松の沼の関係ですけれども,吉岡副市長,改めて聞きますけれども,いわゆる現状の届け出どおりされていくようにするといったようなお話がございました。今の現状を見て,現状どおりいくと思いますか。 いくようになっておったら,もう是正されているんですよ。 私がこの問題を取り上げたのは,ちょうど海治議員もおられますけれども,海治部長がおられたときからの,もう7年,8年さきの話ですよ。 改めて聞きますけれども,条例違反なのか,届け出について変更手続をしているのか,していないのか,その2点をお答えください。 それから,排水機の話がございました。排水機をやっているから排水機能がある,そのことは間違いないと思います。 しかし,出発点は,春野の合併をしたときに新市まちづくり事業の中に登載された事業なんですよ。そのときはこの問題はまだ起こっていないんですよ。 いわゆる98豪雨を受けて,仁ノ地域の排水対策を必須条件として春野は抱えておったんです。ですから,新市まちづくり計画の中に入れていただいたと。それを高知市は容認してくれたんですよ。そのことは忘れてもらっては困るんですよ。 今やっているから,排水が間違いなくできるじゃという言い返し方をされると,私にとりましては非常に心外な問題です。 当然排水対策はしてもらわないけませんけれども,現在やっていただいて,もう供用開始になる排水機場については性格が違うということを認識していただきたいと思いますが,その点についても,吉岡副市長にお聞きをいたします。 それから,監査委員さんから一般的な事例でお話をいただきました。この問題は議場におられて何度か聞いていただいたと思いますけれども,わらをもつかむ思いで地域住民はその思いを市行政へ投げかけておるんです。 ですから,監査の立場で何とかならんかなという思いの中でお尋ねをさせていただきましたけれども,現時点ではまだ監査の内容のものは届いていないという理解をさせていただきました。 いま一度現地を見ていただいて,現在の青線,排水路の機能が私はできていないと思います。 現状認識を,いま一度吉岡副市長にお聞きをいたします。 それから,はりまや橋の関係ですが,ありがとうございます。積極的な御意見を賜りましたが,実際そしたら具体的に早期の改修をしていただけるのかどうか,その点もう一遍聞かせてください。 カツオ文化については,市長,何とぞよろしくお願いいたします。私は決して一事業者を支援するとかといったような内容でお願いしておるのではなしに,カツオ文化,高知の観光,カツオ産業,カツオ観光といったところで大きな視点の中で何とかその枠組み,構築ができないかということをお願いしておるところでございますので,どうか市長の新たな視点に立ってのリーダーシップをお願いしたいというふうに思います。 障害者の関係で,大変お世話さまになっておりますけれども,今報告をいただいたとおりの平均値,それから目標値だと思います。 ただ,B型については,部長が御存じのとおり,そこへ届いていないような内容が多分あると思うんですよ。仮に私がかかわっている事業所については,B型の作業賃,工賃は9,000円余りでした。ようやく1万2,000円ぐらいに届きました。そしたら,高知県下の1万八千何がしには届いていないということですね。それで,そのことの実態は事業所も施設も十分わかっております。 そのことはいわゆる施設の役割を担う理事会なり,そして管理者,そして指導者,皆さん方が頑張らないかんということはわかっておりますので,またあらゆる機会を通じて行政からの御助言もお願いしたいということをお願いしておきます。 第2問といたします。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。
    ◎市長(岡崎誠也君) 私のほうからは,西敷地に関する第2問について,お答えを申し上げます。 6月議会が終わりましたら,今スケジュールを調整しておりますけれども,商店街関係等の団体や,また町内会の連合会等の団体の皆様と意見交換を行うということでスケジュールを今調整中でございます。 当然,町内会連合会,また商店街の中にも,もう広場がいいのではないかという御意見もありますので,御意見は賛否両論,当然出るというふうに思います。 私どもは最終的に方向性を当然決めていかなければなりませんけれども,これらでいただきました御意見と,先ほどの答弁でも少し申し上げましたが,平成28年に3,000人を対象の方々の市民アンケートをとっていますので,その結果と,この意見の中でどういう例えば新しいものが出てくるかなどの意見の比較等も分析をした上で,その出ました意見につきましては当然議会にも御報告を申し上げて,御意見をいただいた上で最終的な方向性を決めていきたいと考えております。 議会からもさまざまな御意見をいただけるというふうに考えておりますので,その中でどういう形の,例えば募集要領がいいのかということを含めて,御意見をいただいた上で我々は最終的に方向性を決めていきたいと考えているところでございますので,またどうかよろしくお願いを申し上げます。 あとの御質問につきましては,副市長からお答えを申し上げます。 ○議長(田鍋剛君) 吉岡副市長。 ◎副市長(吉岡章君) 小松の沼につきまして御質問をいただきましたので,順次答えます。 条例違反かどうかということでございますけれども,届け出がされておりまして,その届け出の範囲を超える形での埋め立てが進められておりますが,行政としては,届け出どおりになるように指導しておりますので,現時点で条例違反ということではなしに,その行為に対しての行政指導を,今行っている状況であります。 届け出の変更につきましては,現時点では事業主のほうは出されておりませんし,もし出された場合,それを受けますとそれを認めることになりますので,それを認めますと届け出を受理したことになりますので,先ほども申しましたように,届け出どおりの内容で造成を完了させるように,継続して指導していくことを地元の皆様とも確認をしているところでございます。 それから,排水機の整備につきましては,私も承知しておりますが,春野町との合併協議の中でこの仁ノ地区の排水機の整備をお約束しました。 確かにこのときには小松の沼の埋め立てにつきましては全く協議はなされておりませんでしたが,合併の協議の中ではこの話はございませんでしたが,現時点におきましては,地元の皆様ともお話をし,現地を見た中で,一番求められていることは排水対策でございます。 それを一番私も強く要望を受けましたので,合併した際にお約束をしました仁ノの排水機場の整備をしっかりとしながら,皆さんが安心して農業が営めるような湛水防除事業を完成していかなくてはいけないというふうに考えております。 地元の皆様の思いも,ずっとお話を聞く中でしっかり受けとめながら,ここも対応しなくてはいけないというふうに考えておりますが,御指摘のとおり,かなり高い山になっておりまして,今確認しても,埋立高が高さで16メートルぐらいなっておりまして,小さい山のような,小山のようになっております。 それをそのまま放置して,どんどん埋め立てが拡大しますと,排水機能が低下し,全く池としての機能がなくなりますので,そこの辺の指導のあり方を地元の皆様,そして事業者の方々と十分に協議をしながら,どういうような形で解決をしていくかということを,今後協議していきたいというお話も小松の沼を考える会の皆さんともお話をさせていただいておりますので,いましばらく時間をいただきながら協議を今後も継続していきたいというふうに考えておりますので,よろしくお願いします。 ○議長(田鍋剛君) 中澤副市長。 ◎副市長(中澤慎二君) 第2問のはりまや橋の木造の部分ですけれども,私も見てきております。確かに御指摘もいただいておりますように,桁を守るための雨覆いの分ですね,こちらにつきましてはかなり老朽化して,観光客がはりまや橋へ行かれてごらんになられたときに,決していい印象は持たない,何とかならんかというような印象を持たれるのではないかなというふうに私も考えております。 ただ,財政的なこともございまして,まずはこれから夏の観光シーズンを迎えますので,まずは市民の皆様,観光客の皆様がその橋に上がられて写真なども撮られておりますので,その安全面の整備からまず行っていきたいと思いますし,また雨覆いの部分につきましても,今後財源の確保をいたしまして,改修に向けて取り組みたいというふうに考えております。 ○議長(田鍋剛君) 氏原嗣志議員。 ◆(氏原嗣志君) どうもありがとうございます。 小松の沼の関係なんですけれども,私と吉岡副市長と大分違いがありますね。普通は,届け出によって,16メートルという高さを今あえて言っていただいたんですが,たしか届け出は平成27年,30年当時の話ですと,3メーターぐらいだったというふうに記憶しておりますけれども,そのことが原状に復すと,それが指導であり,条例違反でないという言い方に聞こえました。 我々,私も含めて住民側から見れば,届け出以上のものがあるというふうに言われましたので,そのこと自体条例違反じゃないですか。一般的にはそういうふうに理解するのが筋だと思いますけれど。 原状に復し,届け出どおりの形にする,そういう状況の現状じゃないですよ。もう7年,8年置いて,地元説明会の中で初めて拡大されたものがされておる,残土が置かれておる,そのことを都市建設の課は認めたんですよ。 それから3年,平成30年を最後にしたら1年弱,現状は毎日毎日入っているんですよ。それをもとに戻す,戻してもらう,届け出どおりの形にしてほしい,そういうやりとりを幾らしてきたんですか。 後段で下元議員のほうから言っていただけると思いますので,私はあえてもう一度お尋ねします。現状の届け出以上のものが現在もあるということの返答を,重ねて現状認識で答えてください。 以上で,第3問を終わります。 ○議長(田鍋剛君) 吉岡副市長。 ◎副市長(吉岡章君) 小松の沼に関しまして再度質問を受けました。 御指摘のように,約7,500平米の面積での届け出となっておりますので,それ以上の埋め立てがされておりますから,届け出以上の埋め立てとなっておりますが,基本的にもとの届け出どおりの面積に戻すということで相手方が申し立てもしておりますので,そこへ向けていろいろな形での行政指導を強くしているところでございます。 ○議長(田鍋剛君) はた愛議員。  〔はた愛君登壇〕 ◆(はた愛君) 日本共産党のはた愛でございます。通告に従い,質問をさせていただきます。 まず初めに,年金問題について伺います。 金融庁の審議会が,退職後30年間,夫婦で2,000万円不足するため,自助努力を求める内容の報告書を出しました。市民から寄せられる意見は,政府の社会保障,年金に対する責任放棄だという声や,そんな貯金があるわけない,戦闘機を爆買いするなら年金に回せ,100年安心の年金制度はうそだったのかという怒りの声が寄せられています。 菅官房長官は,政府として正式な報告書としては受け取らないなどと記者会見で発言していますが,金融審議会のメンバー,池尾和人氏,大学教授は,年金の給付水準はこれから下がっていく,不都合な真実も伝えるのが誠実な態度だと思うと話しています。政府の態度は,選挙前に都合の悪いことを伏せ込むもので,改めて隠蔽体質を浮き彫りにしています。 老後に2,000万円要るという報告書を受け取らないなどという政府の態度について,市長はどう思うか,見解をお聞きいたします。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 傍聴席に大学生の若い方々も来られていますので,将来の年金問題には関心が高いというふうに思います。 まず,首相の諮問機関であります金融審議会,正式に言うとこれが報告書なんですが,金融審議会の中の市場ワーキンググループというのがございますので,そこが出した報告書が正式なものでございます。 この報告書の本来の目的ですけれども,人生100年時代というものがだんだん現実になりつつありますので,長い人生100年に向けました資産の形成やその管理などについて,資産形成の大切さを議論した報告書でございます。 この報告書の中で問題視されておりますのは,高齢の御夫婦の場合で無職の世帯において,毎月の赤字が約5万円,30年で約2,000万円の金融資産が必要というふうな表現がありますが,私も読ませていただきましたけれども,単に5万円分は赤字であるというふうに単純に表現されている部分など,やはり報告書としては少し説明不足の点があるのではないかというふうには思います。 異例の報告書の受け取りを拒否ということになりましたけれども,政策の参考にしないという趣旨の説明をされていますけれども,先ほど少し質問議員さんも触れられましたが,この報告書の中には,人生100年時代に備えた資産形成のあり方を考える,そういう大切な論点も含まれていますので,この報告書の全てを否定するのはいかがなものかというふうにも思います。 少子・高齢化が進む中で,国民が将来の生活に対して不安にならないように,真摯な議論を行いながら,国民の方々に対して丁寧な説明をしていただくことが大事ではないかというふうに思います。 ○議長(田鍋剛君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 政府の態度が,受け取らない,全て否定をするという態度です。老後の生活の土台,命綱になるのが年金であって,100年時代,人生100年を考えたときに,月5万円も足らなくなるという現実について,政府が認識をしないという状況です。 そもそも今の年金自体が少ない上に,さらに減っていくという状況になっていますが,なぜか。 原因は,15年前に導入されたマクロ経済スライドです。これは毎年行う年金の改定の際に指標となる物価の上昇より年金額の引き上げを低く抑え,実質削減する仕組みです。 安倍政権は7年間でマクロ経済スライドを2度発動し,物価は5.3%上昇したのに,年金額は0.8%のマイナス改定で,実質6.1%も年金は下がりました。 このままいくと,2050年,30年後には現状の年金,月6万4,000円が,国民年金ですが月6万4,000円が4万6,000円に,厚生年金も14.8%から21.1%減少するとされています。 若い世代にとっても衝撃の事実,報告の中身だと思いますが,老後不安をふやしているのはまさに政府自身だという状況です。 年金が下がる要因となっているこのマクロ経済スライド,これを廃止することが必要な策だと思います。また,年金制度の安定,改善のために,国に対して地方から声を上げるときではないでしょうか。 地方経済,市民の暮らしにも大きな影響を与えるわけですので,市長の認識をあわせてお聞きをいたします。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 今年度,令和元年度におけます年金額の改定につきましては,昨年度からプラス0.1%の改定ということになっています。 久方ぶりのプラスということにはなっておりますが,内容が多分わかりにくいと思いますが,年金額の改定に用いる物価の指標であります物価変動率がプラス1.0%であり,賃金の指標である名目の手取り賃金変動率のプラス0.6%よりも高いため,これはルールがありまして,ルールにより,名目手取り賃金変動率のプラス0.6%を用いるということにされております。 それにマクロ経済スライドによる調整率がマイナス0.2%,また,前年度までのマクロ経済スライドの未調整分のマイナス0.3%というのが積み残しされておりますので,それらを相殺しまして,今年度は年金が久方ぶりだと思いますが,プラス0.1%の改定ということになっております。 マクロ経済スライドは,公的年金被保険者の減少と平均寿命の延びに基づいて調整率が設定をされ,賃金と物価の変動がプラスとなる場合に相殺を行うものとされております。 御指摘のように,年金が引き下げられ,年金により生計を立てておられます方々の医療や介護の費用を年金で賄っている方々がおられますので,それが不足をするということになりますと,現役の世代が補うこととなります。 高齢者の消費が,例えば買い控えをするということになれば地域経済の影響も予測され,現役世代の賃金や雇用を初め,国民の暮らしにも影響があると考えます。 一方で,マクロ経済スライドによる調整を計画的に実施をする目的ですけれども,将来世代の年金の給付水準を確保することにつながるということが目的でございますので,公的年金制度の持続可能性を一定維持していくためには,現状では一定の調整はやむを得ない部分もあるというふうに認識をしております。 ○議長(田鍋剛君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) やむを得ないというのは,市民の暮らしの実態だとか,経済の状態が見えていないのではないかと思わざるを得ませんけれども,市長に聞きたかったのは,今のマクロ経済スライドだけではありませんが,安定しない年金,下がっていく年金,それも経済が後退局面にあるにもかかわらず,年金を下げていくということの影響が地方経済にも市民の暮らしにも大きいと,そういう認識がないのかと思いますが,再度お聞きをいたします。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 年金は,厚生年金,国民年金ともに,先ほどのマクロ経済スライドによりまして下がる傾向にあります。当然,地域経済にも消費の関係で影響があるというふうには考えます。 ○議長(田鍋剛君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) そういう立場から,国に対しても地方からしっかりと意見を言っていただきたいと,強く要望しておきます。 次に,低投票率問題について伺います。 ことしの4月には県議会議員選挙,市議会議員選挙が行われましたが,改めて低投票率が浮き彫りになる結果でした。 特に市議選挙では投票率36.55%で,選挙を行うたび投票率が下がるという非常事態になっています。 その中で,投票につながらなかったと思われる方の声を伺うと,大きく2つに分かれます。行きたくても行けない,行けるけれど行かないという行動です。 行きたくても行けなかったと話す方の多くは高齢者です。投票所まで行くのに車や支える人の手がない,投票所が遠くなったなど,移動困難者が多いという点,また,病院など施設の関係者からは,人手不足のため投票できる体制を組めなかったなど,民間任せでは投票権の保障が難しくなっている実態があります。 そして,行けるけれど投票しないと話す方からは,議会が何をやっているのかよくわからない,議員を知らない,誰がやっても同じ,政治は変わらないなどの声が聞かれます。 投票率の低下についてどう分析をされているのか,市民の投票に対する声をどのように受けとめられているのか,選挙管理委員会委員長にお聞きをいたします。 ○議長(田鍋剛君) 稲田選挙管理委員会委員長。 ◎選挙管理委員会委員長(稲田良吉君) 選挙管理委員会では,今春の統一地方選挙での投票率の向上に向けて,さまざまな対策を講じてまいりました。 まず,これまで旧支所ベースのふれあいセンターを中心に設置をしておりました期日前投票所の見直しを図り,平成27年11月の市長選挙から実施をしております商業施設での開設を,1カ所から4カ所に増設するとともに,空白地域であった下知,潮江地区に新たに開設し,市内全域にバランスのとれた配置としました。 この見直しは,投票日当日に投票に行けない方がわざわざでなく,買い物のついでに投票できる商業施設への設置要望が全国的にも広がっていることを踏まえたもので,商業施設の設置数では四国で1番,全国でもトップレベルの箇所数としております。 また,新設した2カ所についても,地元の皆様からの要望にお応えしたものでございます。 また,投票所入場券のレイアウトを全面的に見直し,これまではがきサイズだったものを1人1枚の封書サイズに変更し,裏面に期日前投票所で使用する宣誓書を印刷することで,期日前投票所での混雑が解消され,投票に来られた市民の方々にも大変御好評をいただきましたが,この宣誓書の印刷も複数の議員の皆様の御提案を実現した結果でございます。 このように,いただきました御意見,御要望につきましては,できる限りお応えをし,選挙人の利便性や投票環境は明らかに改善されていると考えておりますが,今回の統一地方選挙で期日前投票率につきましては一定の効果が見受けられたものの,全体投票率が下がってしまったことは大変残念な結果であると感じております。 ○議長(田鍋剛君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) いろんな努力をされたけれども,全体が下がるという,そのことについてどう分析をされたのかと,努力の経過については承知していますけれども,そういう努力をしても下がっていくというその最大の原因は何なのかというところを,ぜひ分析をしていただきたいと要望しておきます。 そこで,投票したいのに行けない実態がありますが,行政がどういう手だてを考えていくか,急がれる課題と思います。この間,高知市の選挙管理委員会がいろいろ取り組まれてきたことは承知をしています。さらなる改善策がなければ,高齢化が進む中では投票率の低下は避けられないと思います。 全国,県内でもいろんな取り組みが広がってきました。他都市では,移動投票所やタクシー,バス等による無料の移動支援,大学,スーパーでの期日前投票のさらなる拡大,そういったものがありますが,選挙管理委員会として具体的に改善策,きちんと意見を聞く場をさらに持ち,新たな対策を進めていくという取り組みが必要ではないでしょうか。選挙管理委員会委員長にお聞きをいたします。 ○議長(田鍋剛君) 稲田選挙管理委員会委員長。 ◎選挙管理委員会委員長(稲田良吉君) 今回の統一地方選挙におきまして,これまでの市民の皆様,議員の皆様から御要望をいただいておりました期日前投票所の見直しや,投票所入場券に宣誓書を印刷するなどの大きな改善を図り,大変御好評を得ましたので,今後におきましても御意見,御要望に対しましては,さらなる選挙人の利便性向上と投票環境の改善に向けて検討,研究を進めてまいりたいと考えております。 ○議長(田鍋剛君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) ぜひ具体的な取り組みの検討をお願いしたいと思います。 そこで,必要になってくるのは予算,お金になるわけですけれども,総務省が平成28年度から移動支援について,バス,タクシー,いろんな介護支援タクシーなんかを活用した投票所への送迎,こういった移動支援について総務省が制度化し,予算をつけました。 国政選挙は全て国費で,地方選挙については特別交付金で2分の1を国が負担をすると,残りは地方自治体ということになりますけれども,こういった移動支援を国の制度にのっとって高知市でもやっていこうと思えば,やっぱり足並みをそろえる,国政でも地方選挙でもやっていこうとすると,多少は交付税措置があるとしても,高知市の負担もかかってくると思います。 こういった費用のことを考えたら,予算の拡充というのは避けられない課題と思いますが,この点について,予算をつけていく思いがあるのかどうか,市長にお聞きをいたします。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 少し,どのくらい投票率が下がっているかという御説明をさせていただきますが,4月の市議会議員選挙の投票率は全体では前回よりも1.51ポイント下がりまして36.55ということになっています。 ただ,これも先ほど選挙管理委員会委員長が申し上げました全国トップクラスの期日前投票の量販店を構えた上ででしたので,それがなければもっと下がっていたと思います。 特に18歳,19歳の投票率が16.3%ですので,ここの啓発はさらに強めていく必要があります。 また,氏原議員さんの中でも少し触れましたが,50代,60代が下がってきておりまして,具体的に言うと,50歳代の投票率が前回より5.0%下がっています。60歳代,ここは非常に高かった部分ですが,60歳代の投票率が7.14ポイントも,非常に急減していますので,ここの分析というのは非常に重要になると考えております。 新しい,国のさまざまな考え方も,今御紹介をいただいたように出てまいりましたので,投票率の向上に向けて選挙管理委員会から予算要求があった場合には,適切な予算措置を行ってまいります。 来月,参議院議員通常選挙がございますが,国政選挙,また県議会議員選挙,高知県知事選挙等につきましては,県からの委託金をもとに実施をしておりまして,一定の制約がありますので,その点は御理解をお願いしたいと思います。 ○議長(田鍋剛君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 予算要求があればということなので,選挙管理委員会としては予算要求を含めて,移動支援が進むように,ぜひ全体で協議をして取り組んでいただきたいと,強く要望しておきます。 次に,女性の政治参加について伺います。 社会的にも政治的にも男女共同参画や女性の活躍する社会への世論は高まっていますが,最近ではパワハラ・セクハラ問題が繰り返し取り上げられ,多様な面で女性の社会参加のおくれが指摘され続けています。 世論や運動によって1980年代には男女雇用機会均等法ができ,育児,介護,仕事との両立や男女同権の徹底など,さまざまな形で環境改善の努力が行われてきました。それでも労基法違反や過労死,介護離職などは増加の傾向で,抜本的な改善になっているとは言えないと思います。 市内でも多くの女性が非正規労働,低賃金,長時間労働という中で働いていますが,子育てや介護の両立に困難を抱え,苦しんでいる状況があります。果たして行政,政治の場にこの切実な声が十分届いていると言えるでしょうか。 女性の目線で政策論議が十分にできるよう,副部長級以上の管理職の女性の割合が半数になる取り組み,また環境づくりが必要と考えますが,市長の決意と対案をお聞きいたします。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 女性の管理職への登用,またさまざまな分野での登用ということにつきましては,我々も非常に重要な課題だというふうに思っています。 1つ,原則的に申し上げますと,管理職の登用につきましては,男性,女性を問わず,その職に求められている知識や経験,仕事に向き合う姿勢,またそれぞれの部課の人材育成面を含めて総合的に判断をした上で任用する必要がございます。 女性職員の人材育成につきましては,自治大学校の派遣,また市町村アカデミーなどの派遣,女性リーダー養成等のさまざまな講習にも積極的に派遣を行っております。 また,若手職員のキャリアの形成を支援するために,女性管理職との意見交換会を実施し,将来の展望や仕事への心構え等を考える機会を提供するなど,女性の皆様方がそれぞれの部署で活躍できる場づくりに努めてきております。 現在の比率を少し申し上げますけれども,上下水道局と消防局は少し除きますが,副部長級以上の女性職員の割合は,10年前の平成21年には2.0%でしたが,ことし10年後,本年4月の段階では10.4ポイントまで上昇してきております。 同様に課長級でございますが,10年前の平成21年には6.4%でございましたが,ことしの4月には16.7%ということで,それぞれ上昇はしてきております。 また,将来の幹部職員になる,そういう人材ですけれども,課長補佐級の現在の女性の割合は38.4%,約4割を占めています。また,係長級の女性の割合も38.5%で,4割近くなっておりますので,次世代の皆様方の部分の女性の割合というのは非常に高まってきておりますので,今後さらに活躍を我々も期待もするところでございます。 ○議長(田鍋剛君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 多少改善はしてきたということでしょうし,男女を問わず任用していると,任命しているということですけれども,男女を問わず管理職を任命して,男ばっかりという状況を見たら,男女を問わず任用するに当たっても,能力のある女性たちを引き伸ばす人材育成ができていないのではないかと,男女を問わずやりながら,ふたをあけてみたら長年男ばかりという,そういう執行機関というのはやっぱり改善していただきたい。人材育成ができていないというあらわれではないかと強く思います。 市議会としても,投票率の低下,また女性の政治参加を伸ばしていくという努力が必要と思います。しかし,現状はどうか。ことしの3月市議会に11カ月の赤ちゃん連れのお母さんが子育て問題に関心を持たれ,議会傍聴に来られましたが,驚くことに,傍聴を断られるという事態が起きました。この問題に対して,若いお母さんたちからはひどいという声が寄せられています。 私も同感ですが,高知市議会傍聴規則の第7条では,傍聴席に入ることのできないものが明記されています。 どういうものかというと,1つは,銃器その他危険なものを持っている者。 2,酒気を帯びていると認められる者。 3,張り紙,プラカード,のぼり旗などを持っている者。 4,ラジオ,拡声器,無線機,マイク,録音機,写真機,映写機などを持っている者。ただし,撮影,録音は議長の許可があればよい。 5,笛,ラッパ,太鼓,その他楽器類を持っている者。 6,前各号に定めるもののほか,会議を妨害し,また人に迷惑を及ぼすと認められるものを持っている者。 そして7番目に,児童及び乳児は傍聴に入ることができない。ただし,議長の許可があればよいとされています。 つまり子供や赤ちゃんを連れているということは,危険なものを持っている者,会議の妨害,迷惑を及ぼす者と同じと,扱いが同じというわけです。また,議長の許可があればよいとしても,当日議長が既に議場に入っていると許可がとれないのが実態です。 改めて,議会の傍聴規則の見直しの必要性を感じます。 新しい庁舎の議場には子供連れの方が安心して傍聴できるようにと,防音の部屋が設置されることになっていますので,最低でもそのときまでに規則を見直すということが必要だと思います。議長に求めておきたいと思います。 次に,国保について質問をいたします。 4月の市議選挙を通じて多くの方から,国保が高い,払いたくても払えない,滞納の支払いを諦めているなど,切実な声が寄せられました。この苦しみ,怒りの根源はどこか。 国保制度は,高齢者,非正規労働者,自営業者と,所得の少ない世帯が利用する制度です。現状の国保制度の財源は,負担割合は公費2分の1,私費2分の1ですので,高齢化で給付費全体が伸び,支出が大きくなれば,それを補うために公費と被保険者双方の負担がふえる仕組みになっています。 しかし,多くの被保険者は低年金,不景気に苦しむ高齢者や自営業者,また低賃金に苦しむ非正規労働者の方々ですから,このまま行政の支援が何もないと保険料は上がり続けます。 高知市の場合は既に市民所得の約13%が国保料という高い保険料負担となっています。所得に占める保険料の負担率の高さは全国的に見てどうか,また市が独自にできる負担軽減策として,子供の均等割や国保法第44条,また第77条の減免制度もあり,その意義を市も認めてきました。 これまでの研究経過について,お聞きをします。 また,なぜ改善が進まないのか,その原因についても,健康福祉部長にお聞きをいたします。 ○議長(田鍋剛君) 村岡健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(村岡晃君) まず,保険料の御質問ですが,中核市の平成30年度の保険料の照会結果では,医療分と後期高齢者支援金分の合計額,いわゆる基礎賦課分の保険料額は,均等割と平等割の法定軽減世帯が多いことから1人当たり8万3,000円と,中核市54市の中で35番目となっています。 一方で,保険料計算の基礎となる所得割率で見ますと,11.8%で7番目となっております。 次に,子供の均等割や第77条の減免枠の拡大の検討状況ですけれど,全国的には子供の均等割の軽減を行っている自治体があることは承知をしておりますが,国保料において準用いたします地方税の質疑応答集においては,減免はあくまでも個々の納税者の担税力,負担能力のいかんによって決定すべきものなので,画一的な減免基準を設けることは適当でないという見解が示されておりますので,こうした課題に対応することが必要となります。 また,国保の財政につきましては,保険料と公費で運営をされていますので,こうした減免を拡大する場合には,基本的にはその財源を他の被保険者の皆様の保険料に転嫁をする必要があるため,子育て世代以外の他の世代の保険料負担が増大をすることが大きな課題として考えているところでございます。 そのため,これまでお答えしてきましたように,全国一律の制度として公費財源を確実に確保した上で実現すべきものと考えており,全国市長会等を通じて国に対して要望を行いますとともに,国と地方の協議の場である国保基盤強化協議会ワーキングの場においても議論を進めているところです。 ○議長(田鍋剛君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 軽減策をやると,ほかの世帯に負担がふえるということを言われましたけれども,例えばこういった独自の減免策をやるのに当たって,一般財源は投入できるものと考えますが,その点について,再度部長にお聞きをいたします。 ○議長(田鍋剛君) 村岡健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(村岡晃君) 保険料のいわゆる条例減免については,法定外繰り入れの対象となっておりますので,そういった意味では一般会計からの補填というのは可能となっています。 ○議長(田鍋剛君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) その他の保険者に負担を課さなくても,高知市の独自の裁量でこういった軽減策,取り組みができるということです。 中核市で7番目というのは,非常に高い保険料だということを示していると思います。本当に予算の厳しさはどの自治体も同じですけれども,所得の全国の中で本当に低い高知県高知市なのに保険料は7番目に高いというような状況について,やっぱり改善をしていくということが必要だと思います。 お金がないという話をするのではなくて,やっぱり市民を思いやる心でこの問題をしっかりと進めていただきたいと,強く要望しておきます。 紹介もありましたけれども,国が抜本的には予算を組んでいくとか制度をつくるということが不可欠ですけれども,市としてもできることがあると思います。例えば子育て世帯の均等割減免措置は既に広島市など25の自治体へと広がっています。 全国的にはいろんな形で負担や無保険状態を減らそうという流れにありますが,高知市は逆ではないかと,滞納してしまうと保険証をもらうのに大きなハードルがあるという状況です。 市の短期証及び資格証交付の事務取扱要綱の中に,滞納保険料がおおむね2分の1に減少したときに交付するという条件があり,この規定によって,滞納10万円なら5万円,滞納50万円なら25万円の支払いを窓口で言われます。 払わなかったから保険証がもらえないわけですけれども,ごく一部の悪質者を除き,一般的な滞納者の多くにそんなまとまったお金があるわけがなく,滞納額や分納額が多くなる方,また日常病院に余り行かない若い世代などは滞納の支払いを諦め,実質無保険と言われる資格証,そういった状況に陥るケースが少なくありません。 本来,行政には当然滞納を払ってもらうという仕事と同時に,資格証を含めた実質的な無保険を生まないようにする責務もあります。 市は繰り返し,滞納者個々の状況を把握し,滞納解消に向けて対話を重視している,機械的な対応や生活保護以下になる支払いは求めていないと答弁をされてきましたが,そうであるならば,要綱にある滞納額一律2分の1を払うルールが絶対に必要な規定とは言えないのではないでしょうか。 厚労省がことしの4月14日に発表した国保世帯の状況調査では,全国で269万世帯が滞納に陥り,そのうち3分の1が正規の保険証を取り上げられているということがわかりました。 中でも滞納世帯に占める国保証の不交付世帯の割合が一番高かったのが高知県,71.2%です。全国平均が34.3%ですので,異常な高さです。 高知市においても,世帯に占める国保証の不交付世帯がどれぐらいあったのか,再度健康福祉部長にお聞きをいたします。 ○議長(田鍋剛君) 村岡健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(村岡晃君) 御質問のいわゆる国保証不交付世帯につきましては,短期証の発行世帯と資格証明書の発行世帯となりますが,本年5月31日現在の滞納世帯数は6,705世帯,このうち短期証は2,806世帯,資格証明書は652世帯で,合計では3,458世帯の51.5%となっております。 ○議長(田鍋剛君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 保険証が取り上げられている割合が全国で一番高い高知県,その中で一番保険証を取り上げられている世帯が多い高知市ということになります。 この滞納問題は重要で,ちょっと詳しくお聞きをしたいですけれども,滞納はこの5年間で毎年どれぐらい発生をしてきたのか,そのうち,要綱に基づき2分の1の支払いを行った方はどれぐらいいるのか,お聞きをいたします。 ○議長(田鍋剛君) 村岡健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(村岡晃君) 毎年5月31日時点の滞納世帯数は,経済社会情勢の一定の改善や徴収努力などによりまして,平成27年の1万855世帯から30年には7,509世帯,本年は6,705世帯と減少しており,資格証明書の発行世帯数についても,27年の1,094世帯が30年には689世帯,本年は652世帯といずれも減少しております。 滞納保険料がおおむね2分の1に減少したことで,資格証明書を解除した世帯数は,平成27年度150世帯,28年度183世帯,29年度151世帯,30年度は104世帯となっております。 ○議長(田鍋剛君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 減少傾向にあるということですけれども,それでも滞納者がいらっしゃると,無保険に近い資格証の発行も続いていると,中には,2分の1払っている方もたくさんいらっしゃいますけれども,数からすると,1,000を超える保険証を持てない方のうち,150件近い方々が2分の1ルールによって支払いをしていると,つまりその残る方々というのは2分の1が払えない状況に陥っているということだと思います。 そもそもこの2分の1ルールを,この高いハードルを設けなければならないのかと思うんですが,この法的根拠はあるのかどうか,この点について,健康福祉部長にお聞きをいたします。 ○議長(田鍋剛君) 村岡健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(村岡晃君) 国民健康保険法第9条第7項では,滞納額の著しい減少があると認めるときに被保険者証を交付することが規定をされております。 著しい減少の基準につきましては保険者の裁量に委ねられておりますことから,国保事業の健全運営や財政安定化を図るとともに,負担の公平性を確保するために,それぞれ対応が異なることは好ましくありませんので,統一的な基準をルール化する必要があり,事務要綱において定めているものでございます。 ○議長(田鍋剛君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) これは義務なのかどうなのか,再度お聞きをいたします。 ○議長(田鍋剛君) 村岡健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(村岡晃君) あくまでも滞納額の著しい減少というふうに定められておりますので,義務ということではありませんが,どういった基準で各保険者がこれを線引きするかということで,著しいというのはある意味程度が甚だしいということでございますから,2分の1程度の減少ということで規定をしているものでございます。 ○議長(田鍋剛君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) この2分の1ルールによって,払える方,払えない方はいろいろいらっしゃいますけれども,本当に生活,食べることを減らすだとか,保険料滞納を2分の1ルールに従って払うことによって借金をするとか,そういった方も少なくないので,やっぱり義務ではない2分の1ルールについては見直していくことが必要ではないかと思います。 2019年の2月28日時点で議会事務局を通した中核市調査を行っていただきました。未回答3市を除く中核市52市中,高知市を含む7市約13%が取扱要綱に滞納額2分の1以上の支払いを規定しています。 また,要綱に規定はしないが,運用の中で2分の1額を求めている自治体は11市あります。つまり中核市のうち約34%が2分の1ルールで運用しています。その一方で,規定や運用でも2分の1など支払い額を定めていない自治体は27市,約52%あります。 その多くが納付契約や計画による一部支払いの実績をもって保険証を発行しています。高知市のように滞納額2分の1を求めるということを要綱に定めるというのは,中核市の中で1割ほどです。 他都市のように見直せないかと思いますが,健康福祉部長にお聞きをいたします。 ○議長(田鍋剛君) 村岡健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(村岡晃君) この著しい減少につきましては,先ほどお答えをしましたように,取り扱いの統一的なルールを定めるということで事務取扱要綱に定めたものでございます。 なお,要綱では,資格証交付世帯への被保険者証交付要件として,1点目に,先ほど申し上げました滞納保険料がおおむね2分の1以下に減少したとき。 2点目として,保険料の分納を,誠意を持って履行していると認められたとき。 3点目に,特別の事情があると認められているということで,3点規定をしておりますので,このいずれかに該当することとなった場合には,その世帯の全ての被保険者の方に被保険者証を交付すると定めておりまして,滞納額の半分をお支払いしていただくことだけを解除の要件としているものではございませんので,御理解をいただければと思います。 なお,納付相談に際しましては,要綱に基づき,きめ細やかに御事情をお聞きして,丁寧な対応を心がけているところです。 以上でございます。 ○議長(田鍋剛君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 実態としては,窓口で職員の方はこの取扱要綱に従ってお仕事をされているわけで,ほぼ確実と言っていいほど,この2分の1支払いを求めています。 そのことによって,もういいやと,もう諦めて窓口に来ない,滞納を続けるというようなケースが後を絶たないと,そういう状況を見れば,収納している側の行政にとっても,対話をさらに広げる意味でも,この窓口に来るハードルを上げているこの2分の1ルールというのは改善をさせてなくして,窓口に来るハードルを下げていくと,本当に対話による交付ができるような体制にしていただきたいと,強く要望しておきます。 次に,教育行政について伺います。 3月市議会において,高知市でもふえているいじめや不登校の増加要因には学力テスト偏重問題もあるのではないか,学力テストや宿題に追われ,息苦しさを感じている子供たちや先生がいることを指摘しましたが,市教委からは,学力テストといじめ,不登校の因果関係はないと考えるという答弁でした。 しかし,行き過ぎた学力テストが子供たちに与える影響について,日本は国連の子どもの権利委員会から3度にわたって勧告を受けています。 内容は,日本の学校制度が並外れてすぐれた学力を達成していることを認識するが,学校及び大学の入学をめぐって,競争する子供の数が減少しているにもかかわらず,過度な競争への不安が増加し続けていることに留意し,懸念する。本委員会は,高度に競争主義的な学校環境が就学年齢にある子供の間のいじめ,精神的障害,不登校,登校拒否,中退及び自殺の原因となることを懸念する。 大学を含む学校システム全体を見直すことを締約国政府に勧告するとしています。 ここで言う競争主義的な学校環境とは,今の学力テスト偏重の実態を示すものと考えますが,市教委は国連の指摘をどう認識しているのか,その上で,本市では指摘のような状況がないとなぜ言い切れるのか,その根拠をお示しください。 ○議長(田鍋剛君) 山本教育長。 ◎教育長(山本正篤君) 先ほど御紹介をいただきました2010年になされた国連の指摘につきましては,紹介にありましたとおり,子供の数が減少する中で過当な競争性が改まっていない大学等の入試制度について言及がなされております。入学テストなどにより,子供たちの間で過当な競争が行われていることに対するものであると考えております。 一方,本市の学力向上の取り組みにつきましては,全国学力・学習状況調査の結果につきまして,子供たちの強み,弱みを分析した上で,どこでわからずに困っているのか,そういうものを教職員が理解した上で,授業改善,そして教員の資質,指導力の向上の取り組みを通し,その結果として子供たちの学力向上を図っているものでございます。 具体的には,わかる楽しい授業づくり,主体的,対話的で深い学びのある授業づくり,授業の土台となる学級づくり,ユニバーサルデザインを意識した授業づくりなど,子供一人一人を大切にする温かい人間関係づくりを重視した授業づくりを行っております。 このように,学ぶ意欲や,みずから課題を見つけ,みずから学び,主体的に判断し行動するとともに,仲間と協力することでよりよく問題解決をしていく資質や能力を身につけさせることを目指し,学力向上に取り組んでいるものでございまして,学力調査結果をもとに学校内,学級内に子供たち同士の競争を持ち込むものではなく,国連が指摘する高度に競争的な学校環境とは全く異なるものであると認識をいたしております。 今後におきましても,子供たちが将来の夢や希望を実現するため,生きる力を育む取り組みを進めてまいります。 ○議長(田鍋剛君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 全然聞いていない答弁です。私が聞きたかったのは,学力テストといじめ,不登校の因果関係はないと言い切った高知市ですけれども,なぜそう言い切れるのかと, 不登校になったお子さんやいじめに,加害者,被害者がありますけれども,双方聞き取ったときに,学力テストを含めてそういった競争主義的な環境から圧迫を受けて苦しむということが原因になっているということは報告されていることですので,それを答弁せずして,因果関係がないと言い切れることが,今の教育委員会はおかしいと思いますので,そこは指摘をしておきたいと思います。 それで,高知市の教職員組合が学力テスト10年を検証した中間報告を行っていますが,その中で3つの指摘があります。 1つは,学力テスト導入時に市教委は自己採点を学級担任が行うことで子供たちのつまずきを知ることができると説明していたが,採点を担任だけで勤務時間以内に済ますことができない。 2つ目は,学力テストが教員評価に連動する懸念が強まっている。現在でも学力テストの結果が低い学校に市教委から強い指導が行われている。 3つ目には,学力テスト導入後,夏休みだけでなく,冬休みや春休みも国語,算数の宿題が出される。市教委がどれぐらい宿題を出したかを毎回調査し,結果が悪いと学校へ指導が入り,宿題がふえる。 また,宿題だけでなく,学力テストの前に過去問題の練習をし,教員から疑問の声があるという指摘です。 この報告書の示す実態,市教委の対応について事実かどうか,教育長にお聞きをいたします。 ○議長(田鍋剛君) 山本教育長。 ◎教育長(山本正篤君) その報告書につきましては,市教委に提出されたものではございませんので,ただ指摘をいただいた件について,市教委の取り組みを御説明させていただきます。 まず,1点目の御指摘についてでございますけれども,本年4月18日に実施されました全国学力・学習状況調査の自校採点については,教育委員会から学校に対して4月26日付文書で,先生方の業務の状況を十分に考慮した上で,約1カ月後の5月23日を提出期限として結果の提供をお願いしたものでございまして,結果,全ての学校から提出期限までに提出をいただきました。 次に,2点目の御指摘についてでございますけれども,教育委員会から学校への支援につきましては,調査結果の分析などから見られる各学校の課題に応じた教員の資質,指導力の育成や授業づくりなどについて助言をいたしております。 こうした支援は,学校の主体性を尊重して行われるものでございまして,強制するものではなく,また調査結果を教員評価に利用することも考えてはおりません。 3点目の御指摘についてでございますけれども,子供たちが基礎的・基本的学力を確実に身につけるためには,家庭学習の定着というのは非常に重要なことでございまして,学力調査の実施の有無にかかわらず,長年学校が取り組んできたものでございます。 また,長期休業中に学校が宿題を子供たちに適切に提供し,計画的に取り組ませることは,生活リズムを整える意味においても意義があるものというふうに考えております。 また,全国学力・学習状況調査の問題は,学習指導要領に示された子供たちに求められる学力の定着状況を確認する際に,よくつくり込まれたすぐれた問題でございますので,授業の中で活用することは意義があることであると考えております。 しかし,集中的に練習させるなど,全国調査対策に特化した過度な取り組みにつきましては,調査の趣旨,目的を損なうものであると認識をいたしております。 ○議長(田鍋剛君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 報告書を見ていないということですけれども,これが現場から出た中間報告です。 市教委は,採点について期限内に出されたから問題がないというような言い方ですけれども,期限内に出されたかどうかではなくて,担任の先生だけで採点を勤務時間内にできるような体制ではないという指摘があるわけで,そういったところをきちんと受けとめていただきたい。 市教委は,学力向上,向上と繰り返し言われますけれども,学力向上は何をもって向上なのか,その点を教育長にお聞きをいたします。 ○議長(田鍋剛君) 山本教育長。 ◎教育長(山本正篤君) 学校教育法第30条第2項におきましては,学校における教育は基礎的な知識及び技能を習得させるとともに,これらを活用して課題を解決するために必要な思考力,判断力,表現力その他の能力を育み,主体的に学習に取り組む態度を養うことに特に意を用いなければならないと定められております。 また,学習指導要領においても,変化の激しいこれからの社会を生きるために,知・徳・体をバランスよく育てることが大切であると示されており,その中で特に知については,基礎的,基本的な知識及び技能を確実に習得させ,これらを活用して課題を解決するために必要な思考力,判断力,表現力などを育むとともに,主体的に学習に取り組む態度を養うことが示されております。 このことから,知識及び技能と,思考力,判断力,表現力,そして主体的な態度,この3点が学力の3要素と定義をされており,これらの力を高めることが学力向上と捉えております。 具体的には,子供たちが将来において夢の実現に向かって自己の進路選択を行う際に,学力の課題を要因として諦めざるを得ない状況になることがないように,確かな学力をしっかりと身につけさせることは,学校最大の責務と考えております。 教育委員会といたしましては,子供たち一人一人の将来の夢の実現と社会を生き抜く力の育成に向けて,学力向上の取り組みをしっかりと進めてまいります。 ○議長(田鍋剛君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) そうであるならば,幾つも同じような学力テストを繰り返す必要はないとつくづく思います。全国の学力テスト,そして県版,市町村版の学力テスト,それぞれありますけれども,取りやめる自治体がふえてきています。 3月市議会で紹介したので詳しくは言いませんが,高知市での学力テストは平成19年に教育委員会で導入の議論があり,スタートしました。始まってから10年がたちますが,その間一度も学力テストについて議論がされていません。10年の総括,検証をする必要があるのではないでしょうか。 市教委として,学力テストを取りやめた自治体の聞き取りを行い,状況や是非について教育委員会を開き議論していただきたいと思いますが,教育長にお聞きをいたします。 ○議長(田鍋剛君) 山本教育長。 ◎教育長(山本正篤君) 本市では,児童・生徒が身につけなければならない学力の定着状況を把握し,明らかとなった課題の解決に向けた授業改善の取り組みに活用するため,学力調査を継続して実施をいたしております。 こうした調査の結果は,児童・生徒一人一人のつまずきを把握し,個々に応じたきめ細やかな学習支援に生かしておりまして,継続して実施することで,学力の定着状況を経年で見ていくことができますことから,検証・改善サイクルにおける指導改善において重要なものとなっております。 御紹介をいただきましたように,導入に当たりましては,教育委員会の協議会において熟議の上決定をしたものでもございます。学力において全国平均と乖離がある本市にとりましては,引き続き調査の目的に沿って,調査結果を子供たちへの指導に活用することで,本市の児童・生徒が将来の夢を実現するために必要な学力の定着に努める必要があると判断いたしております。 ○議長(田鍋剛君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) さまざまな指摘が出されて,10年もたって,いろいろ議論はしているけれども,教育委員会が公式に開かれて,学力テストの是非についての質疑はされていないわけです。 その点について,開くべきではないかと,そういう節目ではないかということをお聞きしています。再度,教育長にお聞きをいたします。 ○議長(田鍋剛君) 山本教育長。 ◎教育長(山本正篤君) 先ほどもお答えいたしましたけれども,学力において全国平均と乖離がある本市にとりましては,引き続き調査の目的に沿って調査結果を子供たちへの指導に活用することは,本市の児童・生徒の将来の夢を実現するために必要な学力の定着に努める必要があると判断をしておりますので,現時点で見直しは考えておりません。 ○議長(田鍋剛君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 議論をする考えがないということですけれども,今いじめや不登校がふえ続けていますよね。その中で,学力不振,また学校に行きたくない,学びを諦める,そういう子供たちがいるから,教育委員会は対策をいろいろ考えてきたわけですけれども,それでも状況がよくなっていないと,何のための学力テストなのかと,現場は疲弊する,子供も疲弊する,これが本当に必要かということが今問われているわけです。 学力テストにかかわっては,1976年5月に旭川学力テスト訴訟がありまして,最高裁で判決が出ておりますが,憲法判断の内容は,教育への国家的介入は抑制的でなければならない。法令に基づく教育行政でもあっても,不当な支配に当たる場合がある。国による教育への介入は,教育の機会均等の確保の目的のために必要かつ合理的なものに限定されるというのが憲法判断の判決の中身です。 つまり学力テストであれ,いじめ,不登校,自殺がふえるような教育システムは,合理性はないということでもあります。 息苦しさを抱える子供,教員の立場で市教委が国や県に言うべきことをしっかりと言うと,みずからが判断して改革を進めると,それが地方自治だと思います。 10年という節目ですので,教育委員会を開いて,開いていると思いますので,その中できちんと是非について議論を,また検証をしていただきたいと思います。 最後に,学力向上推進室ができて1年がたちます。現職の先生10人も集めて,また外部のアドバイザーを集めて各学校に助言指導を行っている学力向上推進室ですけれども,何をやっているかというと,計画をつくって,テストを行って,検証をして,また計画をつくると,その検証報告を市教委は出すように学校に求めています。 検証するに当たって学校現場からは,学力向上推進室に何を基準に検証をするのかと問い合わせると,市教委からは,わかる範囲でいいですと,全く指導的役割を果たしているとは言えない無責任な回答が返る状況です。 学力向上推進室とは,どんな基準をもって学校に検証を求めているのか,その点について教育長に伺います。 ○議長(田鍋剛君) 山本教育長。 ◎教育長(山本正篤君) 各学校においては平成26年度から,学力や体力の向上,生徒指導上の諸問題の解決のために,全教職員で課題を共有し,学校経営を進めることができるよう学校経営計画を策定するとともに,この計画を実践,検証,改善するPDCAサイクルの確立を目指し,取り組みを行ってまいりました。 この計画における目標や目標を達成するための取り組みの指標につきましては,各学校が子供たちの実態を踏まえ,課題や実情に即して目指す具体的な姿を定めているものでございまして,教育委員会が一律に基準をもって学校に対して示すことはしておりません。 学力向上推進室は,各学校が学校長のリーダーシップのもと,目標達成に向けた計画の実施状況や年間を通した進捗状況などを確認しながら,学校への支援を行っております。 ○議長(田鍋剛君) 発言時間が来ておりますので,まとめてください。 はた愛議員。 ◆(はた愛君) もう全く現場の声が届いていないのではないかと思える答弁です。学校現場に対しては,学力向上推進室から検証を求めると,けれども,教育委員会自身は10年の学力テストの検証自身もしないと,委員会が検証もせずに学校には検証を,個人の判断で各学校の判断で求めると,本当に矛盾を感じます。 本当に多忙化の中,学力テストによって行き詰まっている子供たち,生徒がいますので,全力で取り組んでいただきたいと要望しておきます。 以上です。 ○議長(田鍋剛君) この際暫時休憩いたします。  午前11時55分休憩  ~~~~~~~~~~~~~~~~  午後1時0分再開 ○副議長(寺内憲資君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 島崎保臣議員。  〔島崎保臣君登壇〕 ◆(島崎保臣君) 皆さんこんにちは。日本共産党の島崎保臣です。 私は,4月の市議会議員選挙で,誰もが安心して暮らせる高知市へと訴え,多くの方々から後押しをいただき,初めてこの場に立つことができました。市民の皆様の期待に応え,これから全力を尽くす決意です。 まず冒頭に,昨夜山形県沖を震源として発生した地震に関し,被災された皆様に心からのお見舞いを申し上げます。私も父親の仕事の都合で一時期秋田県に暮らしていたこともあり,大変心配をしているところです。なお,今後も余震が起こる可能性もあり,被害が拡大しないことを切に願います。 質問へ入る前段として,自己紹介を兼ねて,私の政治姿勢について述べさせていただきます。 私は地元高知大学を卒業し,法律事務所で事務職員として11年間働く中で,学生時代には知らなかった世界,経済的に困難でせっぱ詰まった,そういった状態の方などに接してきました。 しかし,そうした方々が困難な状況に陥ったのは,社会の経済状況あるいは支援をする公的制度が不十分であることに起因をするものも多く,自己責任で切り捨てるわけにはいかないと,このように感じてきました。 ですから,私が考える政治とは,誰も置いてけぼりにしない,誰もが安心して暮らせる,そういう社会をつくるために役割を果たす政治です。 私は市議会議員選挙に挑戦する以前,2017年の衆議院選挙に日本共産党比例代表候補として挑戦をいたしました。法律事務所を2016年に退職し,政治の世界へと足を踏み入れたわけですが,なぜこのタイミングでそうした決断をしたのか。それは安倍政権が余りにも国民の声を無視するような強権的な政治をしていたからです。 2015年9月19日,安倍政権は安保法制を成立させました。自衛隊を海外の戦場へと送ることを可能にするこの安保法制について,国会前に10万人を超える市民が集まって反対の声を上げる。この高知でも市役所前などで連日の抗議行動が展開される。そうした中で,国民の声に耳を傾けず,そのときの国会における議席数の力で成立を強行したものでした。 私はそのとき,法律事務所での勤務を終えた後,抗議行動に駆けつける一人の市民でした。強行採決を目の当たりにした私は,政治を変えなくてはならない,この思いを強くし,以前からの暮らしを守る政治をという願いとあわせ,政治の世界へと飛び込む決意をいたしました。 その後,総選挙では,市民と野党の共同で新しい政治をつくろうという大きな流れの中で,私は目指していた高知2区での立候補を取り下げ,無所属で挑戦する広田一さんを2区の統一候補に,そして私は比例代表に挑戦をし,高知2区は高知県で21年ぶりとなる小選挙区での自民党独占の牙城を崩す結果を出すことができました。 その後,この市民と野党の共同の流れはますます確かなものとなり,来月行われるであろう参議院選挙でも,高知・徳島選挙区は自民党現職と無所属の野党統一予定候補との一騎打ちとなる可能性が濃厚となっています。 ちなみに,無所属で挑戦する松本顕治さんは私と同じ高知大学出身で,学年は彼が1つ後輩です。ともに大学で学び,社会のことにも目を向け,さまざまな活動も行ってまいりました。 今回の参議院選挙の争点,ことし10月に予定される消費税増税の是非です。消費税増税については,地方自治体の財政とも関係してくる大争点です。日本共産党も,住民の福祉向上につながる政策はどんどん進めるべきで,そのために地方自治体として役割を果たせるだけの財源を確保しようとしています。 ただ,その財源は消費税増税ではなく,所得,資産に基づく応能負担の原則の徹底,証券取引で生まれる利益への優遇税制の見直し,400兆円もの莫大な内部留保をため込む大企業への法人税率を,せめて中小企業並みに引き上げるなど税制改革を進めれば,7兆円の財源をつくることができると訴えているところです。 この財源を地方のため,社会保障のため,若者のために積極的に活用することが,高知市の現在,そして未来を希望あるものにする道だと考えます。 翻って,今の高知市政はどうでしょうか。私が今回市議会議員選挙に挑戦を決意した大きな理由の一つが,今の高知市政のゆがみの問題です。 国民の声を聞かず,お友達の利益にために国政を私物化する現政権への怒りもありますが,高知市政でも国政と似通ったような,市民の声を聞かず,一部の勢力の利益を優先しようとするゆがみがあるように見えます。浦戸道の駅,仁井田産業団地,そしてオーテピアの西敷地の問題です。 特に直近で大きな話題となった西敷地の問題は,高層ビル計画が白紙となったとはいえ,まだ今後の利活用という展開を控えていますので,まずはこの問題について質問を行います。 先ほども述べましたとおり,昨年市長が表明していた高層ビル計画は一旦白紙となりました。その具体的な問題点については,言及はいたしませんが,西敷地の利活用の問題の根本にあるのは,市民の声が届いていない,勝手に決められている,こういう部分だと考えます。 その中で,昨年10月オーテピアで市長も参加して開催された市民説明会は,私も参加しましたし,多くの市民が参加をし,市長の話を直接聞き,また直接質問することのできる重要な機会だったと考えます。 そこで,この説明会で市民の声を直接聞いてみての市長の受けとめをお聞きします。 また,市長はその場で,今後の説明については,要請があれば,自分自身は難しいが,所管部局で対応すると言われておりました。 実際にその後,市民から要請があったのか,市はその要請にどう対応したのか,商工観光部長にお聞きします。 高層ビル計画が白紙になったことを受け,現在西敷地の利活用については,再度計画を練り直す段階となっています。市長は,各種団体等との意見交換を実施するとしていますが,ビル建設が取り沙汰された後のこの段階だからこそ,もう一度立ち返り,昨年のような市民説明会というよりも,意見交換会を丁寧に実施することが必要だと考えます。 そこで,市民参加型の意見交換会を開催することについての,市長の見解をお聞きします。 また,2016年度に行った市民アンケートについても,今改めて再度実施する必要があると考えますが,いかがでしょうか。 西敷地の現在の状況は,ロープを張って,あぶないからはいってはいけませんと注意書きをしています。一方で,商工振興課が管理をするもとで,西敷地は貸付利用をスタートさせています。 そして,5月の連休中には周辺店舗利用者等の飲食スペースとして一部が貸し出しをされましたが,地面部分については現状の砕石が敷かれたままでの貸し出しとなっていたようです。さらに,昨日海治議員への答弁の中では,中央部分をひろめ市場とオーテピアの通路として開放したとのことでした。 そうであるなら,何をもって危ないから入ってはいけないとするのでしょうか。貸出利用期間以外についても市民が自由に出入りできるよう,ロープによる排除はやめるべきだと考えますが,商工観光部長の見解をお聞きします。 続いて,子供の医療費について質問を行います。 私自身にも4歳の娘がおり,この間も風邪などで小児科を受診することもありましたが,医療費の心配をしなくていいというのは親心として大変助かる,これが正直な実感です。 この間,青年団体の皆さんと一緒に街頭で若い世代へのアンケート活動を行ってきた中で出会った声を紹介します。 ある2組の子連れのお母さんと対話になり,私がこれからの課題は何だと思いますかと聞いてみると,1人のお母さんは,中学生の医療費が無料になったらありがたいですねと答えていただきました。 すると,隣にいたもう一人のお母さんが,え,無料じゃないんですかと,このようにびっくりされました。そのお母さんは既に無料化を実現している四万十市から遊びに来られた方でした。 別の場面では,街頭宣伝をしていたときに通りかかった女性と話になり,中学生の医療費無料化はぜひ実現してほしい。今のままなら子供が中学生になる前に南国市へ引っ越そうかと考えてしまうとも語っておられました。 高知家は大家族,こういうキャッチフレーズもありますが,同じ高知県内であっても,住んでいる自治体によって子供の医療費,その負担,子育て環境にこれだけの差があるのかということを,改めて感じた経験でした。 これまで岡崎市長のもとでも,高知市における子供の医療費負担については,2011年に就学前まで,2016年からは小学校卒業までと,無料化の範囲を徐々に拡大してきました。決して潤沢な財源があるわけではないその中でも,子育てから経済的な不安を取り除こうという前向きな変化だと思います。 子育て応援のまちづくりをさらに前に進めるために,子育て世代の願いに向き合い,その願いを受けとめて子供の医療費負担,中学校卒業まで無料化の範囲を拡大し,保護者の負担を軽減できるような措置をとるべきだと考えます。市長の見解をお聞きします。 関連して,国保加入者の中で,窓口で医療費負担が10割となる資格証明書を発行されている世帯について,小学校卒業までのお子さんについては,窓口負担なしで医療を受けることができているか,こども未来部長に確認をいたします。 次に,国民健康保険について質問します。 国民健康保険は,自営業,高齢者,非正規雇用・失業状態の方々などが被保険者となっており,協会けんぽなどほかの保険制度と違って,構造的に多くの問題を抱えています。 そうであっても,国民皆保険という社会保障の根幹をなす制度として,命を守る重要な役割があることは間違いありません。 国民健康保険に関する課題は山積していますが,私は今回,若い世代や子供を多く育てる多子世帯の課題について質問を行います。 先ほども少し触れました青年団体,日本民主青年同盟高知県委員会の皆さんが,現在,青年を対象に生活実態アンケートを行っています。暮らしの様子,働き方など,聞き取りをする中で,今の若い世代の深刻な実態が浮かび上がってきましたので,まずその声を紹介します。 失業中の30代の女性は,失業保険をもらい終わり,貯金を切り崩して生活している。国保料は月1万7,000円,年金は1万5,000円払っている。削れるのは食費ぐらい。生きているだけで通帳残高が減る,このように語っています。 また,4年間非正規雇用で働く30代の男性は,雇用保険や社会保険はなく,手取りは月11万円。発達障害があり,通院が必要。国保料を払うのが難しく,離れて暮らす親に借金をしながら生活をしている。非正規でも安心して暮らせる社会になればたくさんの人が幸せになると思う,このように話してくれました。 この高知市で暮らしている若い人たちの中で,今この瞬間にもこうして苦しんでいる人がいます。若いから頑張れ,この一言では済ますわけにはいきません。頑張るには踏ん張る土台が必要です。あるいは,頑張るためには,まず心身の傷を癒やすことが必要な場面もあります。 しかし,国保料が高いことで,保険制度が土台どころか足かせになっている。傷を癒やすことさえ許さないプレッシャーになっていると言わなければなりません。 全国の国保中央会の会長でもある市長にお聞きします。高過ぎる国保料が若者世代の重い負担となっている,この実態をどのように受けとめておりますか。 そして,国保加入者世帯の18歳未満の子供に係る均等割について,これは負担能力を無視して世帯人数に負担を課す人頭税を引き継いだものであり,時代おくれ,人権無視の制度であると考えます。市長も,見直しが必要だと,過去に議会答弁を行っています。 全国では,均等割の負担を軽減するために自治体独自の施策を講じているところもあります。例えば埼玉県ふじみ野市では,昨年4月から第3子以降の国保税均等割額を全額免除されています。その根拠としては,標準的な家庭人数を夫婦と2人の子供と見込み,それを超える多子世帯への財政支援を行うためだとの答弁がされています。 本来的には,子供に係る均等割の負担そのものが軽減が必要だと考えますが,とりわけ多子世帯については負担を軽減すべき特別な事情の度合いが強いものと思われます。 そこで,お聞きをします。 本市では,国保加入世帯のうち,18歳未満の子供を3人以上抱える多子世帯はどれだけ含まれているか。 また,国保料を滞納している世帯のうち,同様の多子世帯がどれだけ含まれているか。 そして,本市で第3子以降の保険料均等割部分について,全額免除,半額免除の対象とした場合の必要額は幾らになるか,健康福祉部長にお聞きをします。 その上で,まずはこの部分からでも実施をするべきだと考えますが,市長の見解をお聞きします。 次に,日赤病院の移転に関する質問を行います。 5月に日赤病院が秦南町に移転をいたしました。新しい医療の拠点としての発展を願っております。 その一方で,以前に日赤病院があった新本町のエリアについては,日赤病院の跡に新しい病院が来るという話が白紙になってしまい,現在大変深刻な状況となっています。 私も現地に出向き,皆様の声を聞いてまいりました。ある商店の方は,売り上げは10%どころではなく落ちている。地域の人たちのためにも何とか営業を続けたいが,どうなるかわからない。別の方も,3割から5割ぐらいお客さんが減っている。もうこのままだったらお手上げだと,このように話してくださいました。 まちづくりの観点から,この問題に対し,市として何らかの考えを持っているか,お聞きをいたします。 次に,男女共同参画推進に関する質問を行います。 1979年第34回国連総会で女子差別撤廃条約が採択をされ,ことしで40年を迎えます。この条約は日本政府も1985年に批准し,さらに99年男女共同参画社会基本法が制定をされ,高知市でも2005年に男女共同参画条例が施行されています。 また,日本共産党は6月5日,個人の尊厳とジェンダー平等のためにという政策を発表し,その中で男女の賃金格差の是正を初め,働く場でのジェンダー平等を確立することを大きく打ち出しています。 男女共同参画,ジェンダー平等は大変幅広い分野にかかわることですが,今回私は男性の育児休業取得について質問を行います。 男性の育児休業取得については,大手企業に勤務し,育休を取得していた男性社員に対し,育休復帰明けに家族と離れ離れになる転勤の辞令を出し,結果として男性社員は退職を選んだということが,パタニティハラスメントに当たるのではないかと議論になっています。 また,自民党内で,企業に対して男性社員の育休取得を義務づけることを検討する議員連盟が立ち上がったことも話題を呼んでいます。 さらに,直近のニュースでは,ユニセフの子育て支援策に関する報告書で,2016年時点でOECD,EU加盟国など世界41カ国の育休制度を比較したときに,日本の育児休業の制度は,制度的には男性で1位の評価だと,このような評価をいただきつつも,実際に取得している男性は少ないと,このようなことを指摘されました。 報告書では,男性の育休取得が進まない理由として,職場の人手不足,あるいは取得しづらい社内の雰囲気があるということが指摘されるとともに,政治的変化の後に文化的変化が生まれることもあり,政治主導による変化への期待も示されているとのことです。 本市では2016年3月に高知市職員仕事と家庭の両立・女性の活躍応援プランを策定し,現在5カ年で取り組みを進めているところと聞いております。男性職員の育休取得率については,来年度末時点の目標を13%としており,16年度が3.6%,17年度が5.5%,18年度は8.3%と,年々取得率は上昇傾向にあります。 ただ,来年度末で13%という目標を達成しても,それはあくまで通過点であり,もっと取得率を引き上げることは,男性の育児参加を促し,性別役割分担というジェンダー課題を克服するために欠かせないことだと考えます。 そこで,お聞きをいたします。 高知市を一つの事業主体として見たときに,男性職員の育児休業取得率をさらに引き上げるためには,どういった対策を行うのが重要と考えるか,総務部長にお聞きします。 以上で,私の第1問といたします。 ○副議長(寺内憲資君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 段々の御質問をいただきました。順次お答えを申し上げます。 島崎議員におかれましては,今議会が初登壇となりますが,市勢発展に向けまして,今後ともよろしくお願いを申し上げます。 また,昨日東北の日本海側で発生をしました地震で被災をされました皆様,また各自治体の皆様方にも,心からお見舞いを申し上げたいと思います。 最初に,西敷地についてお答えを申し上げます。 質問議員さんも御出席をいただきましたが,昨年の10月14日及び17日に開催をいたしました市民説明会の当日には多くの市民の方々にも御参加をいただき,本事業への関心の高さを改めて感じたところでございます。説明会では,広場を希望される多くの御意見もいただきました。 一方で,大学が参画し,中心部に出て,移住者の方々と一緒になることで,新しい物づくりができるのではないかといった御意見や,集客力のある施設ができることにより,人通りがふえ,商店街の売り上げにも還元されるので,必要な事業であるという御意見もいただきました。当然,賛否両論,多くの御意見をいただきました。 本市といたしましては,昨年度の市民説明会でのこれらの御意見や,今年度新たに実施をする予定であります各団体との意見交換会での御意見等を踏まえ,これらを踏まえた上での市議会からの御意見もいただきながら,新図書館西敷地利活用事業の基本方針のもとに,中心市街地の魅力を創出し,来街者,町に来る方々の増加や,また人々の回遊性の向上につながる事業の方向性を,さらに具体的に検討してまいりたいと考えているところでございます。 これに関連して,市民参加型の意見交換会の開催についての御質問にお答えを申し上げます。 今回新たに実施をする予定で,今,日程調整をしております意見交換会につきましては,中心市街地に関係する商店街の方々や,また町内会関係団体等を対象に,今スケジュールを調整しております。 この意見交換会では,新図書館西敷地利活用事業の基本方針や,中心市街地活性化の基本計画の考え方,またこれまでの事業経過等を御説明した上で,市民の皆様方や事業者,両方のお立場からの御意見をいただきたいと考えており,前回の説明会でいただきました御意見とあわせまして,今後の募集要領案の検討に生かしてまいりたいと考えておりますので,今回は団体を中心に御意見をいただくということにしております。 また,関連して,2016年度に行った市民アンケートを再度実施するつもりはないかという御質問にお答えを申し上げます。 2016年に実施をしました市民アンケート,これは約3,000人を対象にアンケートしまして,回収率が38.9%,4割弱ということでございました。 このアンケートにつきましては,西敷地の利活用の検討のため,平成28年2月に西敷地の利活用の検討委員会,これは地元商店街,観光,福祉,文化などさまざまな有識者で構成をされていた委員会でございますが,この委員会の中で西敷地にふさわしい機能をある意味絞り込んでいくためにアンケートをしたものでございまして,このアンケートをもとにしまして,SWOT分析という分析の手法を用いて,11項目の機能を抽出した上で,点数化して評価をしたものでございます。 このアンケートで得られました結果をもとにして,西敷地にふさわしいとされました機能は,100点以上が4項目ありまして,広場機能,家族で訪れて子供が安全に遊ぶことができる機能,観光客のリピーターをふやすことができる機能,日曜市やよさこい祭りを充実,発展させるための機能,この4機能でございまして,これらを上位の4項目に位置づけたところでございます。 今年度は改めて市民アンケートを実施するのではなく,このアンケートをもとにしておりますので,各種団体の皆様との意見交換の中で,西敷地の活用の事業や中心市街地の基本計画など,本市の計画の説明などを踏まえまして,改めて団体等の意見を参考にして,この御意見の中で,アンケートでいただいた意見等,例えばどういうものが新しく出ているのか,どういうものが例えば変化があるのかという分析もしていきたいと思っておりまして,それを今後の事業の検討に生かしてまいりたいと考えているところでございます。 続きまして,子供さんの医療費の,特に中学生までの助成の拡充に関する御質問にお答えを申し上げます。 子供さんの医療費の助成につきましては,先ほども御紹介がありましたが,平成28年10月に所得制限を設けずに小学校6年生まで対象範囲を拡大しておりまして,現在どのくらい経費が要っているかということですが,29年度の決算で対象者の方が2万9,060人に対しまして,この助成額,10億800万円余りということになっております。 その財源の内訳としては,高知県から支出をいただいております県費が約2億円,残りの約8億円余りが高知市の一般財源の負担ということでございます。 これを仮にさらに中学校まで拡大しますと,本市の一般財源8億円の負担に加えまして,さらに毎年約2億円の一般財源の上積みが必要となります。 また,これとは別ですけれども,高知市では,全国の県庁所在地では初めて,同時入所の場合の第2子の保育料の無償化を,これも所得制限なしで軽減をしております。 この子供さんの第2子の無償化,保育の無償化ですが,これも平成29年度の決算で約10億円の一般財源の負担が生じておりますので,これらを考えますと,中学校までの医療費の拡充ということは,現状の財政の状況では難しいというふうに感じているところでございます。 続きまして,国保に関する御質問にお答えを申し上げます。 まず,若い方々の国保の負担ということでお答えを申し上げたいと思います。 国のほうにおきましても,もうすぐ2019の骨太方針が今月末の閣議決定で多分決定されることになると思いますが,この中でも,就職氷河期の世代の方々の対策というものが前面に出てくる予定になっております。 なぜかといいますと,相当就職氷河期の方々がおられまして,この方々がかなりの部分,非正規で働いております。この方々の正規職員への拡充と,この方々に対する支援というのが必要だというのが,国も全面的に出てくる予定でございます。 これを踏まえましてですけれども,少子・高齢化の中で,例えば総務省の平成29年の労働調査の中で,先ほどの非正規雇用労働者は2,036万人と言われております。 そのうち,正職員になりたいという希望はあるけれども,なかなか正職員にしてくれないという不本意の,本人の意思ではなくて不本意のもとに非正規で働いている方につきましては,総務省の統計では273万人というふうに言われておりまして,全体の14.3%を占めております。 このうち,先ほどの就職氷河期の方々と言われる世代を含めて,25歳から44歳までの若い年齢層の方々が108万人と言われておりまして,非正規で非常に低賃金ということでもございますし,もう一つは,健康保険の適用がない方々も多くおられますので,国保に加入せざるを得ないという状況があるというふうに言われております。 これらの問題を踏まえまして,この方々は非正規の方々で,将来の年金にも影響しますので,年金の問題や生活保障を厚くするという観点で,健康保険の適用の拡大をしていこうということを議論しておりまして,高知市としてもその議論に加わっております。 まだちょっと結論は出ておりませんけれども,健康保険の加入の条件を引き下げて,この方々を,一部にはなりますけれども,この方々について,一定健康保険の中に加えていこうという議論に,高知市もその議論の中に加わっております。 ただ,この場合は,今ちょっと反対があるのは,企業負担が半分,保険料の2分の1の負担をしなければなりません。中小企業の方々が多いので,2分の1の負担は難しいということで,まだ議論がなかなか難しい状況になっておりますけれども,国もやはり健康保険を拡充していこうということで,これは健康保険と厚生年金保険がセットになりますので,我々もその方向で意見を申し上げているところでございます。 国のほうも,今月末に正式に決定しますが,先ほどの就職氷河期の方々を踏まえまして,非正規の方々への支援というのは国を挙げて,これから重点的に取り組むべき大事な仕事でありますので,私たちもその方向で全国市長会から,意見を強く上げていきたいというふうに考えております。 単独での国保の保険料の引き下げというのは,自治体では少し無理がありますので,やはり国として大きな政策の中で,こういう方々に対する支援という方向で動くべきものだというふうに考えております。 関連して,第3子以降の国保料の減免をするつもりはないのかどうかという御質問をいただきました。 これまでの議論の中でもございましたけれども,国民健康保険制度は,公費,国からおりてきます公費と保険料による,原則的には2分の1ずつになっていますけれども,今実質的に言うと,公費6,保険料4ぐらいの割合になっている,これが独立採算ということになっておりますので,仮に独自に高知市が減免した場合は,ほかの皆様方にこの保険料が負荷がかかるというのがルールになっております。 また,さきのはた議員さんの答弁の中にもありましたが,一律に画一的な減免基準を設けるのは適当でないという考え方もあるので,独自にやるのは難しいと思っておりまして,今月末には全国市長会からの重点項目,私のほうから上げたものでございますが,全国市長会からの重点項目に,子供に係る均等割保険料,それから保険税を軽減する支援制度の創設について,必要な財源の確保を国に対し提言するということにしておりますので,この方向で国に対して積極的に働きかけていきたいということを考えております。 最後になりますが,日赤の関連の御質問にお答えを申し上げます。 日赤病院が本年5月の連休明けに移転をいたしました。これまで日赤病院がございました地域におきましては,約1世紀余りにわたりまして,日赤通りという呼び名のもとで商店街や町が形成された経過がございますので,我々もまちづくりの観点から,日赤病院の移転後のまちづくりというものにつきましては,積極的にまた意見を申し上げていく必要があると考えております。 地域の御要望を受けまして,これまでも平成28年6月に日赤の高知県支部に要望書を提出すると同時に,28年12月には吉岡副市長が高知県の総務部長とともに東京の日赤の本社を訪問しまして,病院移転後の跡地活用について,引き続き病院施設の用に供され継続したまちづくりを進めることを趣旨とします要望書を,高知県知事と高知市長の連名で提出をしてきた経過がございます。 病院跡地の利活用策につきましては,最終的には高知の日赤病院が土地の所有者であります東京の日本赤十字社の本社と協議を行い決定されるということになりますが,今後とも高知県,高知市連携のもとで,地域の皆様とできるだけ情報の共有を図りながら,今後の状況を注視していくとともに,また地元のまちづくりに向けて意見を申し上げていきたいと考えております。 その他の御質問につきましては,各担当部局長等からお答えを申し上げます。 ○副議長(寺内憲資君) 大野総務部長。 ◎総務部長(大野正貴君) 男性職員の育児休業取得についてお答えをいたします。 本市におきましては,次世代育成支援対策推進法等に基づく特定事業主行動計画といたしまして,平成28年3月に仕事と家庭の両立・女性の活躍応援プランを策定しておりまして,安心して子育てができる職場づくりを目指して,男性職員の子育て参加の推進を進めております。 この男性職員の出産,育児に関する休暇等の取得促進策につきましてですが,職員への制度の周知が大変重要でございますので,平成29年から庁内LANを活用いたしまして,育児休業を取得した場合の経済的措置の周知,また取得した男性職員の体験談等の情報提供に努めてまいりまして,国が策定をいたしました第4次男女共同参画基本計画に基づいて,令和2年度末時点の男性職員の育児休業取得率13%を目標として掲げてございます。 育児休業を取得されました男性職員の体験談では,取得することを決断するまでの経過,それと上司の理解と同僚の支援があったこと,子育ての大変さや貴重な体験ができたことなどが紹介されておりまして,こうした育児休業を取得された男性職員の名簿を庁内LANで掲示して,相談できる体制づくりを行うなど,育児休業を取得するかどうか迷っている男性職員の後押しに努めてまいりました。 こうした取り組みを受けまして,御紹介もいただきましたとおり,本市におけます男性職員の育児休業取得率は,平成28年度末におきまして3.6%であったものが,翌29年度末には5.5%,30年度末には,速報値ではございますが8.3%と,順調に伸びてきておりますので,一定男性職員本人の意識づけ,また職場での理解も進んできているものと考えておりまして,まずは令和2年度末の目標値でございます13%の達成に向けまして,継続的に取り組みを進めてまいりたいと考えています。 ○副議長(寺内憲資君) 村岡健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(村岡晃君) 国保に関する御質問にお答えをいたします。 18歳未満のお子さんを3人以上抱える,いわゆる多子世帯数の状況ですが,本年6月現在で3人以上の18歳未満のお子さんがいる世帯は476世帯です。 同じく6月現在の国保料滞納世帯は7,323世帯であり,このうち18歳未満のお子さんが3人以上いる世帯は全体の約2%,127世帯となっております。 次に,第3子以降の国保料均等割減免の必要額に関する御質問にお答えをいたします。 先ほどお答えしましたように,6月時点で3人以上の18歳未満のお子さんがいる世帯は476世帯で,このうち第3子以降の均等割を全額減免した場合の影響額は5,600万円余りとなります。 次に,半額免除とした場合ですが,既に低所得の方々の保険料は所得に応じて平等割と均等割について7割,5割,2割のそれぞれ軽減する法定軽減がございますので,この半額以上軽減をされております方を除きますと,第3子以降のお子さんの均等割全体を半額減免した場合には,影響額は1,600万円余りとなります。
    ○副議長(寺内憲資君) 山川こども未来部長。 ◎こども未来部長(山川瑞代君) 国保の資格証明書交付世帯の子供の医療に関する御質問にお答えいたします。 国保の資格証明書が交付されている世帯につきましては,同一世帯に高校生世代以下のお子さんが被保険者にいる場合は短期被保険者証が交付されますので,小学校卒業までのお子さんは子ども医療助成の適用となり,窓口での自己負担がなく医療機関を受診していただくことができます。 ○副議長(寺内憲資君) 森田商工観光部長。 ◎商工観光部長(森田洋介君) まず,西敷地に関する説明について,市民の方々からの要請があったか,その要請にどう対応したのかについて御質問をいただきましたので,お答えいたします。 昨年10月に開催いたしました市民説明会以降,翌11月には市民団体の高知まちなか広場プロジェクト様から説明会への出席要請をいただきましたが,市長を初め,所管部局である商工観光部におきましても,当時の部長,副部長とも別公務のため出席することができませんでした。 また,説明の要請ということではございませんが,市民説明会の開催以降,電話や本市の市民の声の制度を通じまして数件程度,個人の方から直接担当部署に事業に対する御質問や御提案をいただきましたが,その都度担当部署において対応させていただいたところでございます。 次に,貸出利用期間以外についても市民が自由に出入りできるよう,ロープによる排除はやめるべきであるとの御質問に対しお答えいたします。 西敷地利活用事業は,現在の中心市街地活性化基本計画登載事業であり,事業着手までの一定期間の管理を想定し,周辺店舗等への砂ぼこりの飛散を防止するために砕石を敷き詰めますとともに,景観等にも配慮し,プランターを設置するなど,必要最小限の整備を行いました。 常時敷地内に自由に出入りすることを可能にいたしますと,高齢者の方々や幼い子供さんなどが転倒され,けがをされるおそれがあるなど安全面での課題や,無断駐車など敷地の無断使用で対応に苦慮する事例も想定されますことから,現在の管理方法としておりますので,御理解をいただきますよう,お願い申し上げます。 ○副議長(寺内憲資君) 島崎保臣議員。 ◆(島崎保臣君) 各御答弁をありがとうございました。 第2問を行います。 西敷地の貸出利用について,砕石を敷いた現状では,貸出利用を進めるにしても,車椅子やつえを利用されている方などから,このままでは入ることが難しい,バリアフリーの視点からも工夫が必要だとの声が出ております。 市民がもっと利用しやすくするために現状を改善する必要性があると思いますが,商工観光部長にその点をお聞きいたします。 また,現在掲示されているもののうち,関係者以外立入禁止という表示があります。立入禁止という強いフレーズに対して,関係者とは誰のことか,市の土地ということは,市民の土地,市民は関係者ではないのか,こうした声が市民の中からも出ております。 せっかく当面の間,貸し出しによる利用もできるわけですから,利用の手順などを明示した看板を設置したり,表示についても,立入禁止と,排除を感じさせるようなそういった文言ではなくて,例えば,この土地は貸出利用できます,詳細は商工振興課まで,こうしたふうな表示で,利用を積極的に周知したり,市民に開かれたものとする,そういった工夫をしてはどうか,この点も商工観光部長にお聞きをいたします。 そして,子供の医療費について,重ねてお聞きします。 資格証明書交付世帯の子供さんに対し,正規の保険証ではなく,短期の被保険者証を交付しているその理由は何か,健康福祉部長にお聞きをして,第2問といたします。 ○副議長(寺内憲資君) 村岡健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(村岡晃君) 被保険者証に関する御質問にお答えをいたします。 平成22年の国民健康保険法改正により,資格証明書世帯に属する18歳以下の被保険者に対しては,有効期間が6カ月の短期被保険者証を交付することとされております。それに基づいて交付をしているものでございます。 なお,短期被保険者証の発行をもって滞納世帯への接触を断つことはなく,引き続き接触の機会の確保に努めるとともに,保険料を納めることができない特別な事情がある場合には考慮することという趣旨の通知が,厚生労働省から発出をされておりますので,資格証明書の早期の解除に向けて,本通知に基づき,適切に対応しているところでございます。 ○副議長(寺内憲資君) 森田商工観光部長。 ◎商工観光部長(森田洋介君) 西敷地の現状の改善につきまして,第2問をいただきましたのでお答えいたします。 先ほどもお答えいたしましたとおり,西敷地につきましては,西敷地利活用事業の着手までの一定期間の貸し付けを想定しておりますことから,新たな投資は困難であり,周辺店舗等への砂ぼこりの飛散防止のために砂利敷きとするなどの,必要最小限の整備となっております。 このため,御指摘のとおり全ての方が御利用できる場所となっておりませんが,西敷地を中心市街地の活性化に資するイベント等へ貸し付ける際には,事業実施主体により利便性の向上策等を実施いただく場合もあるものと考えておりますので,御理解のほどよろしくお願い申し上げます。 次に,西敷地の貸し出しについての周知についてお答えいたします。 西敷地の普通財産としての貸し付けにつきましては,4月下旬にチラシを作成しまして,本市ホームページで情報提供をしますとともに,商店街関係団体等との会合など,機会を捉えまして情報提供をさせていただいておりますが,西敷地の現場での周知は実施をしておりませんので,御提案をいただきましたように,サイン等を作成し,現地におきましても周知をしてまいりたいと考えております。 ○副議長(寺内憲資君) 島崎保臣議員。 ◆(島崎保臣君) それぞれ御答弁をありがとうございました。 今回,私が質問をいたしました課題については,これからも私も注目するとともに,ぜひ皆様にもしっかりと取り組みを進めていただきますよう,お願いをいたします。 初めての質問ということで,大分時間が余りそうでございますが,まとめとして,私の考えを幾つか述べさせていただきます。 今回,質問には取り上げることはできませんでしたが,今学生の皆さんの実態も大変深刻です。奨学金という名の借金が若い皆さんの将来に暗い影を落としています。 私自身も高校,大学と利用した奨学金を今も返済中の身です。かつては口座残高に返済分が足りていなくて,引き落としができなかった,こうしたときに,すぐに債権回収会社から電話がかかってきた,こういったこともありました。 今,民主青年同盟の皆さんが学生にもアンケートを行っており,その中でも,18歳の高知大生が奨学金を家賃に充て,仕送りとアルバイトで生活をしていると語り,また総額500万円を返済することになるという21歳の高知大生は,返せるか不安だと,このように語りました。 そして,中には奨学金は有利子8万円を利用していたが,今その利用はやめた,仕送りはなく,今は週5回,コンビニと弁当屋さんで働き,月8万円を稼いでいる,こういった20歳の学生もいました。 保護者の世代も経済的にゆとりがなくなる中で,学生への仕送りも細ってきており,かつてのような小遣い稼ぎ,そういうレベルではなく,アルバイトに追われたり,奨学金を利用する,つまり卒業と同時に借金を抱えて社会に出ることも当たり前のようになっているのが実態です。 日本共産党は,大企業と富裕層への適正な課税で生み出した財源も使いながら,有利子の奨学金は無利子に,そして返済不要の給付型奨学金について,月3万円を70万人に給付できるように拡大し,また,そもそも高過ぎる学費そのものを速やかに半額にし,段階的に無償化するために,教育予算をふやそうと訴えています。 国のレベルでの政策と同時に,自治体でも独自の対応を検討する必要があると考えますので,この点も今後しっかりと取り上げてまいります。 結びに,政治は議会を通じて動いていきます。しかし,議会の中だけで動くものではありません。私たち議員は,主権者である国民の声を聞かなければなりません。 そして,主権者の皆様には,私たち議員を突き動かすように,どんどんと声を上げていただきたいと思います。特にこれからの未来を生きる若い方々には,積極的な行動を大いに期待しながら,私も少し年の近い存在として,市民の皆様の思いを受けとめる決意を述べて,初めての質問を終わります。ありがとうございました。 ○副議長(寺内憲資君) 横山公大議員。  〔横山公大君登壇〕 ◆(横山公大君) 議長への通告に従いまして質問をさせていただきます。 質問に入ります前に,昨夜発災をいたしました新潟県村上市を主とする北陸,東北,また関東地方の被災をされました地域並びに住民の皆様に心からお見舞いを申し上げますとともに,一日も早い復旧,復興,また風評被害が強く及ばないことを切に願っております。 改めまして,このたび2,940名もの御支援をいただきまして初当選をさせていただきました保守・中道クラブの横山公大と申します。今までの経験と人脈を生かし,議会人として精いっぱい努めてまいります。どうぞよろしくお願いをいたします。 質問に先立ちまして,市執行部の皆さん並びに議員の皆さんに少しだけ自己紹介をさせていただきます。直接市政に関係があるわけではございませんが,今後よりよい関係性を築き,仕事を円滑に進めていく上で,私自身を知っていただきたく,お時間を少々拝借いたしますことをお許しください。 1974年生まれ,現在45歳でございます。実家は旅館業を営んでおります。追手前小学校,城北中学校を卒業後,高知小津高等学校に進学をしましたが,2年半,半ばで去ることとなり,その後料理人として社会人をスタートさせていただきました。 19歳より家業で働きながら,高知商業高等学校定時制に4年間通い,卒業後は御縁をいただいたニュージーランドの某ホテルにて,板前として就職。永住を夢見ながら2年強勤めた後,母の体調不良もあり,26歳のときに高知に帰ってまいりました。その後,家業である旅館を日本一の旅館にするべく,人との出会いを大切に勉強を重ねて,いろんな経験を積んでまいりました。 2011年,35歳のときには,全国組織であります旅館組合青年部の全国部長を最年少で務め,東日本大震災の復興に全力で取り組んでまいりました。当時築いた省庁とのパイプや全国の同業とのパイプ,また関連する人脈は,今も高知のためにつながっております。 また,宿泊業の地位向上,スタッフが誇りを持って働ける場づくりのために,旅館甲子園というイベントを立ち上げ,現在も継続をして開催されており,官公庁を初め,多くの団体や企業に御支援をいただき,先般筑波大の教授によって著書としても取り上げていただきました。また同時に,高知県観光特使も拝命をし,県外出張時には積極的に高知をPRして誘客につなげております。 毎年,春先のビッグイベントとなりました土佐のおきゃくでは,立ち上げ当初から携わり,2014年よりは4代目の実行委員長として,市街地の活性化並びに経済の発展,高知の文化継承のために積極的に活動をしてまいりました。 現在では土佐のおきゃくの経済波及効果は約9億円に上っており,県市税収3,000万円を超えるイベントとなっております。 そのほかにも,町や高知全体が盛り上がるイベント,また若い世代のために企画をした2回目の成人式など,とにかく大好きな高知のために何ができるかを,仕事通じ果敢に取り組んでまいりました。 その多くが前例のないことへのチャレンジでありました。この仕事観,経験,人脈,これらのリソースを,これからは公の立場として,市民の皆様のために全力で注いでまいります。 あわせまして,市政,議会の円滑かつ向上的な運営,そして市役所職員の皆さんが円滑に職務を全うできるよう努めてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。 さて,以前より私自身も大変危倶をしておりました投票率の件につきまして質問をいたします。既に何人かの議員が質問をしており,大方の答弁をいただいておりますが,少し違った観点から申し上げます。 4年前の統一地方選挙市議会議員選挙では,御存じのとおり,38%という,全国でも大変低い投票率となり,まことに不名誉な結果となったことは,大人として,経済人として大変恥ずかしい限りでございました。 それから4年後の今回,ここにおられる全議員はもとより,私自身も底上げを図るべく,あらゆる策を練り,若者たちへ訴えかけてきたものの,力及ばず,36.55%というさらに低迷をする結果となってしまったことは,当事者としても大変反省をするべきところでございます。 このまま放置をしておいたら,次回さらに投票率を悪化させてしまうのは目に見えて明らかであります。それはそのまま高知の発展をスローダウンさせてしまい,市民の皆さんの理解を得ることも,さらに厳しくなってしまうおそれがあります。 世界的にも有名なオーストラリアの投票の仕組みは,至ってシンプルでありますが,1924年を境に,当時51%だった投票率は,今では90%を下回ることがないと言われております。 それは投票会場でイベントを開催し,楽しい雰囲気をつくり出すものであったり,また正当な理由がない場合には20ドルの罰金が科せられるというものであります。 今回の統一地方選挙においては,市内各所にて期日前投票がとり行われました。特にイオンモールでは,投票すればお得なクーポン券がもらえるということで大変好評をいただいており,SNS等でも多くの方が投稿されておりました。 こういったアイデアが,平成27年度市議選期日前投票率6.79%から今回10.51%の増加へつながったことは,こちらも明らかであります。 各商店街や市内の店舗,また期間中にイベントが開催されるようでありましたら,積極的にこういったことに取り組むべきと考えます。そういった啓蒙活動を含めお聞きをいたします。 前回からこの4年間,市民に対し何か投票率を上げる策を講じられてきたか。 また,本年選挙イヤー残りの選挙に対しましても,どのように投票率を底上げしていくか,市役所としての見解をお聞きいたします。 願わくば,選挙管理委員会や市議会議員,私たちが率先をして,学生への出前講座であったり,特別授業の開催であったり,また各種メディアを通じ,選挙について広く周知をすること,投票率の悪さが引き起こす社会現象などを伝えること,またオーストラリアのような世界での好事例や,全国の好事例を知らせていくことも重要だと感じます。 これは,行政はもとより,経済界や教育の場との連携も必要でございます。そろそろ本気で官・民・学が集い,策を講じるべきと考えます。選挙管理委員会委員長に,お願いをいたします。 続きまして,観光とまちづくりについて質問をいたします。 人口減少が進む中,市内での消費の拡大を図るには,やはり観光は切っても切れない重要な産業ということは,周知のとおりでございます。 近年中に15兆円の自動車産業を超え,日本一の産業になるとも言われています。現在,観光バブルと言っても過言ではないほど,多くの観光客が全国にあふれており,ここ高知市においても,大型客船を初め,多くのインバウンド客が訪れており,今後さらなる拡大に大きな期待が膨らむところであります。 あわせて,小規模旅行,また個人旅行が増加をしており,そのニーズに応える小回りのきいた新しいアプローチも必要であります。 ここ中心市街地においても,高知城からはりまや橋,また風光明媚な五台山や鏡川,高知一の観光地桂浜公園を結ぶ観光ルートを短時間で回れるミニツアー等をプロデュースすることも,満足度を高める要素だと考えます。 MY遊バスも大切な観光ツールでありますが,決められた時間に利用してもらうのではなくて,観光客の時間,都合に合わせたサービスの提供も喜ばれるものと考えます。 例えば駅前の広場を活用し,人力車やトゥクトゥクなど,エッジのきいた小型の車両を用意して美しく並列をさせ,観光客の時間や都合に合わせた,市街地,また市内観光のプランを用意,運転手とのコミュニケーションや会話もふえますから,高知へのファン化はより一層高まります。 また,駅前の広場を有効活用することで,SNSを初め,インスタ映えのする画像や動画の撮影も見込め,広く発信される効果も期待ができます。 当然観光収入も見込めますので,市街地周遊,市内観光の需要を掘り起こす新たなプランを打ち出していきたい。どこもがやっているものではなく,ここ南国土佐だからできる,エッジのきいた観光プランを創出していきたい。 前例がないと言って取り組まない,また,取り組めないのではなくて,前例がないからこそ新しいニーズを生み出していくという考えのもと,頭一つぬきんでるために,よそでやっていない仕掛けを講じるべきと考えます。 昨年,大型客船が来高した際,土佐市が主催でトゥクトゥクを高知新港に配置をし,土佐市へのドライブと観光を企画したところ,早々に満席となり,利用されたインバウンド客も大変満足度が高く,こういった観光は今後の需要も見込まれます。 手軽に気軽に市街地観光,市内観光をできる仕組みは,今後ますますふえるであろうインバウンド客のニーズに対応するためにも必要だと考えます。 津野町にて運営されているツノトゥクも大変人気があり,ここ高知市内においても,南国土佐の雰囲気にまさにマッチするのではないでしょうか。 駅前の有効活用,またこうち観光ナビ・ツーリストセンターでの新しい観光プランも含めまして,小型車両,小規模観光案内の実現に向けて検討をいただきたいと思います。商工観光部長の見解を求めてまいります。 続いて,ナイトタイムエコノミーについて質問をいたします。 2006年より毎年3月初旬に開催をされております土佐のおきゃくを初め,中心市街地では大変多くのイベントが開催をされており,多くの市民,また観光客が楽しまれております。 その一方で,楽しみ方がよくわからないという声も多く寄せられています。イギリスを初め,欧州各地ではナイトメイヤー,直訳をしますと夜の市長という意味でございますが,ナイトメイヤーという制度があり,夜専門のプロフェッショナルが夜の観光やエンタメを創出し,またプランによってはグループを案内するというもので,世界的にも注目をされております。 日本においても,東京渋谷では既に民間主導で形成されており,その動きは各地に波紋を広げ始めております。 インバウンド客がナイトタイムに消費をする額は,諸外国においては全体消費額の約10%という数字の傍ら,日本においてはわずか1から2%という数字にとどまっており,ここ高知においても,ほぼ消費が見込まれていないのが現状ではないでしょうか。 御存じのとおり,高知においては,外食,飲酒量ともに全国トップクラスの消費がございます。夜の観光スポットや人気のある飲食店,また屋台文化,ニッチな場所など,まさしく高知にもってこいの仕組みだと考えます。 当然飲酒が含まれることですので,安全面からあらゆる対処も必要ではございますが,イギリスではパープルフラッグという制度を導入しており,飲酒を含んだ犯罪や諸問題,また町の美化について徹底的に検討をされており,ロンドン郊外のクラップハムではパープルフラッグの導入によって町の治安が大きく改善をし,観光客の増加につながった事例も報告をされております。と同時に,インバウンド客にとっても,安心してナイトタイムを楽しめる目安にもなっております。 こういった先進事例を参考にすることで,高知の夜の町についても安全性や美化について研究をし,特に四国においては一番安心して楽しめる夜の観光を創出していくことができ,安全を担保したナイトタイムエコノミーは,国内旅行者はもとより,多くの外国人のニーズにも合致するものであり,高知らしい案内ができるのではないかと考えております。 幸いにも,高知には高知県観光特使という制度があり,県外からも非常に注目をされております。ナイトタイムを得意とする著名人やアーティスト,また地元民を中心にナイトメイヤーの役割を担ってもらい,夜の観光を展開していくことは難しい話ではないと考えます。 以上の観点から,夜専門のプロの観光案内人の選任,また新たな人材の養成と起用にあわせて,先述をした案,また夜間周遊として,五台山からの夜景や,夜の動物園,夜の水族館,桂浜の月夜など,高知市におけるナイトタイムエコノミーの可能性について,今後どのように展開をしていくのか。 もしくは,まだその段階に至っていなければ,持続可能な観点で高知の繁華街を守り,発展させていくためにはどうしていくべきかをお聞かせください。 続きまして,温泉を用いた中心市街地の活性化策の進捗についてお聞きいたします。 中心市街地の活性化,西高東低の解消と来街促進,また健康促進を主とした本案件は,高知市旅館ホテル協同組合並びに高知商工会議所,中心市街地活性化検討合同部会が多くの研修を重ね,既に検討報告書を平成30年10月23日に市長宛てに提出をしておりますが,まだ特に返答がない状況ということでございます。 高知県への年間観光入り込み客数は440万人。旅行者にとって最も楽しみにされているのが,食と温泉でございます。 行政はもとより,宿泊業を中心に,県外の旅行会社や個人客にさまざまなアプローチを仕掛けている中,温泉が乏しいという弱点を克服するべく,多くのアイデアを用い,集客に尽力をされています。 その努力は並大抵のものではございません。他県の同業者の多くが,高知は温泉がないのに本当によく頑張っていると,一様に声を上げられております。 高知へ訪れる観光客の大変多くの方が温泉入浴を楽しみにされており,そのニーズに応えていくことは,まちづくりの観点からも必要だと考えます。 また,ひろめ市場に偏りがちな商店街の人の周遊も,はりまや橋周辺に温泉施設ができることで,各商店街への流れも新しく生まれてきます。 この温泉を用いた活性化構想には,3つのK,3K,観光,経済,健康という3つの要素が含まれており,新たな温泉観光の創出,それにより生み出される経済と雇用,並びに新たな税収への期待,そして観光客のみならず,市民にとっての憩いの場と健康の場を生み出すことにもつながってまいります。 地権者の問題や経営母体等,問題提起もされておりますが,ここは民間主導というより,高知市としても入湯税という新たな財源収入を見込める以上,もっと積極的に取り組んでいかなければならないと考えます。 さまざまな角度から収入シミュレーションが検証されておりますが,例えば商店街へ温泉施設を設ける温泉施設モデルにおきましては,年間売り上げ約5,400万円が見込まれ,利益が500万円から700万円の算出とされております。 また,温泉施設から旅館,ホテル等へ配湯する温泉街モデルにおいては,平成23年の6施設での入り込み客を基本とすれば,約2,700万円,参画施設が倍の12施設に及ぶと5,400万円の入湯税収入が見込めるという計算がなされております。 もちろん建設コストを初め,多額のイニシャルコスト並びにランニングコストも必要という前提ではございますが,本検討報告書への見解並びに今後の可能性や方向性につきまして,商工観光部長にお聞きをいたします。 続きまして,高知市の観光におけるデジタルマーケティングについてお聞きをいたします。 まず,高知市ホームページ,観光振興課の閲覧者につきまして,昨年1年間の閲覧数はどの部局よりも圧倒的に多い約90万回PVを獲得しており,高知市観光協会におきましては100万回PVを超える閲覧数がございます。この数字は今後もっと生かしていける大切なツールということを,改めて御認識をしていただきたいと思います。 一方で,SNSは現在において世界レベルで一番有効な情報発信ツールという位置づけでございますが,フェイスブックでは,高知市観光協会のフォロワー数は2,000人,高知市防災でも2,500人という数字でございます。 ツイッターに関しては,まだ開設がされていない状況でございます。 例えば私個人でいきますと,フェイスブックは既に5,000人,動画を配信しましたら1万人を超える方が閲覧をされます。 このフォロワーの分母が多ければ,より多くのユーザーに情報を届けられるということは言うまでもなく,例を挙げますと,福岡市の高島市長のフォロワー数は11.5万人でございます。市のホットな情報や観光情報,また事故,事件など,リアルタイムに市民はもとより,全国,また世界へ発信をしております。 その情報はフォロワーのリツイートでさらに拡散をされ,情報内容によっては数千万人のユーザーに届けられる結果となります。 高知市においても,このまま静観するのではなく,すぐにでも体制を整えなければならないと思っております。これは観光面だけではなく,今後訪れる大震災を初め,防災の観点からも必要と考えます。 また,国内に限らず,高知を検索してもらうためには,それなりの仕掛けや対策をしなければなりませんが,例えば現在アルファベットでKOCHIと検索をしますと,何が出てくるか御存じでしょうか。KOCHIと検索をしますと,インドのコーチ市が一面の多くを占めるという,現在の結果となっております。 この検索は,実は甘く見てはならなくて,例えば秋田,AKITAですね,AKITAと検索をした場合,一面に表示されるのは秋田犬であります。 この結果を見た秋田県知事は非常に驚いたそうなんですけれども,秋田県はこれを逆手にとり,秋田犬を前面に打ち出した観光施策を用い,現在は大成功されております。 高知においては,全くインバウンドにアプローチができていないという証拠でもございます。また,閲覧者の行動意欲につなげるためには,動画コンテンツを用いることは最も有効な手段であり,リアル体験にまさるものはございませんが,リアルに次ぐ手段が動画配信と言われております。 しかしながら,高知市のホームページにはとても魅力的な動画があるにもかかわらず,大変探しにくい状態であり,再生回数もわずか1万3,000回PVにとどまっております。特に観光分野に関しては,動画の効果的な発信が必要だと感じております。 今後の展開について,お聞きをします。 出雲市,別府市等においては,既にデジタルマーケティング専門の部署も設置をされており,市の情報をリアルタイムかつ効果的に届けたい場所,人,年代等へ発信をしており,その効果は動画の閲覧者数にもあらわれております。 例えば,高知県が作成をした「VISITKOCHI JAPAN」の動画再生回数はわずか1,500回PVでございます。それに対しまして,別府市は570万回PV,出雲市に関しましては1,200万回PV,また釧路市は800万回,長崎市も800万回PVと,それぞれに大きな分母を獲得する結果を出されております。観光誘客にそれぞれがつなげていっております。 この先進的な事例には,予算を10割とした場合に,3対6対1,サーロインの法則と言われておりますけれども,この3対6対1という法則が実証されており,観光予算であれば10割のうち6割をデジタルマーケティングに費やす時代と言われております。 既に観光庁の田畑長官や,スポーツ庁の鈴木長官らがこのサーロインの法則を各所にて積極的に唱えておりますが,現在の自治体のほとんどがデジタルマーケティングに対し,わずか5%しか費やしておらず,高知市においても同等の比率となっております。 動画制作費についても同じ仕組みでございまして,成功されている自治体ムービーは3割が制作,6割が情報発信,1割が効果検証という,サーロインの法則を実践されていますが,ほとんどの自治体が制作に10割を費やし,せっかく動画を制作したにもかかわらず,それを効果的に届けたい場所,人,年代に届けられていないのが現状でございます。 このデジタルの時代,グーグルによれば,1年おくれると6年,6年おくれると200年の差が出るとされております。 取り残されない自治体づくりのためにも,先述したSNSのフォロワー数の拡大も含め,デジタルマーケティングに特化した専門部または専門職を設けることが急がれると考えますが,そのような動きがあるのか。 もしくは想定をされていなければ,高知市としてどう対処していくべきか。 この問題はトップの意向が強く反映をされますので,岡崎市長に見解をお聞きします。 続きまして,警察による交通違反取り締まりの件について,要望いたします。 ゴールデンウイークや夏休み等,それに限らず平日においてもそうですが,繁忙期に特に多く見られます警察の取り締まりでございます。その手法について多くの市民から疑問や怒り,憤りの声が上がっております。 本来,警察というのは市民を守り,違反者や犯罪者を出さないことが最大の目的であり,犯罪をなくし,市民が安心,安全の中,生活ができるようにするのが大きな役割の一つだと考えますが,警察法に,個人の命,財産の保護,犯罪の予防,公安を維持し,職責職務を全うすると定められているにもかかわらず,昨今では意図的に違反を誘発させ,違反をさせた後に検挙をするということが目的となっていると言わざるを得ません。 交通違反の取り締まりに関して,過日こんなことがございました。ひろめ市場とオーテピア西敷地の間の道路は,時間帯によっては歩行者専用道路となり,車両は通行禁止となります。 その日は追手筋側で取り締まりを行っており,誤って進入をしてきた多くの車両が検挙されておりました。その中には県外ナンバーも見受けられました。ひろめ市場南側から進入をする際,進入禁止の標識は掲示はされておりますが,特にふなれな県外客にとっては,ほとんど気づくことのできない標識でございます。 取り締まりを行い,交通違反や犯罪を抑止することが重要なのは承知をしておりますが,この案件に限らず,本来であれば違反を未然に防ぐのが警察の役割であり,違反をさせ検挙をするというのは,いささか疑問を感じます。 進入するのを容認し,危険な区域へ進入させた後に検挙をするのではなく,進入をしそうな車両に対し,未然に禁止区域であることを伝え,違反者を出さないようにするべきであり,それも行わず,危険だとわかっている区域に進入をさせる手法は,市民のみならず,特に地元になれていない観光客にしてみれば本当に悔やまれるものとなり,その思い出は,もしかしたら二度と高知を訪れたくないという悪影響にもつながり,一生懸命おもてなしをする市民の皆さんの努力をも阻害をしてしまいます。 実際,多くの市民,特にサービス業の方から懸念の声が上がっております。警察の管轄であり,我々の範躊ではないことは重々承知をしておりますが,市民の声が多く上がっている以上,この声を届けざるを得ません。 ぜひ市長の名のもと,未然に違反者を出さない心ある警察の取り締まりを行ってもらうよう,強く要望していただくことにあわせまして,わかりやすく丁寧な道路標識を設置してもらうよう,高知市から高知県警等に要請ができるものか,市長に見解をお聞きします。 最後に,これから訪れる人口減少問題は,少子・高齢化問題をはるかに上回る超危機的状況を招くことは,既に御承知のとおりと思います。 人口が減っても,市民一人一人の生産性を向上させ,経済を発展させていくには,義務教育課程での経済教育も必要だと考えます。 また,差し迫る大災害に対し,災害前の高台移転の遅延が問題視をされております。これは,高知市における市街化調整区域に対する規制等が,遅延の原因にもなっていると指摘をされております。 コンパクトシティー構想のもと,中心部に経済機能を集中させる考えに一定の理解はございますが,この計画のあおりは,高台へ移転をしたいと願う市内の企業や大型店舗も,やむなく市外や県外へ移転をしているという事実につながっております。 市街化調整区域がいつ,どのように,どういう判断で策定をされたのか。また,その結果,市内の企業や店舗が市外,県外へ流出をしているという事実があるにもかかわらず,このまま変化に対応せず静観し続けるのか。 本案件は随分と提言をされてきたようでございますが,このまま放置をしておいたら,土地の有効活用もできず,企業や店舗の流出に歯どめがきかない現状を増幅させてしまうのではないかと,危惧をしております。 改めて,高知市のコンパクトシティー構想を具体的に岡崎市長にお聞きをします。 以上で,第1問とさせていただきます。 ○副議長(寺内憲資君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 段々の御質問をいただきましたので,順次お答えを申し上げます。 質問議員さんにおかれましては初登壇となりますけれども,観光振興を初めとします市勢の発展のために,今後ともよろしくお願い申し上げたいと思います。 それではまず,デジタルマーケティングの関係につきまして,御質問にお答えを申し上げたいと思います。 観光振興策の中で,質問議員さんはさまざまな観光振興に携わっておられますので,これまでも民間のほうからの観光振興のバックアップも非常に多くいただいておりまして,その点に感謝をしております。 この御質問をいただきました部分は本市の観光におきましても,どちらかというとまだまだ弱い部分の,弱点の部分でございまして,過日質問議員さんとともに,グーグルの観光推進部長をされておられます著名な方ですけれども,陣内様とお会いをさせていただいて,興味深くお話を聞かさせていただきました。非常に勉強になりました。 地産外商や観光振興等による産業活性化の取り組みにおきまして,特に最近ふえております外国人の観光客の誘致,またこれから本格化していきますスポーツツーリズム,また移住促進などの観点から,こういうものを含めた積極的な広報が,非常に重要になってきております。 現在の高知市の広聴広報戦略プランにおきましても,SNSを活用しました情報の発信,情報共有,いわゆるシティプロモーションを戦略事業として位置づけ,高知市のイメージアップや高知市の観光関連のPRを推進するということにしております。 観光関連のPRのさまざまなツールにつきましては,インターネットも含めまして強化をいたしましたけれども,まだまだ十分ではないという認識を持っております。 こうした広報活動を進めるに当たっては,全庁的にそれぞれの部署に広報担当者を配置する必要があり,各部局の各課に課長補佐を広聴広報の責任者としまして位置づけておりまして,組織横断的に研修を行うなど,情報共有を始めたところでございます。 デジタルマーケティングのような専門的な知識を要する広報活動につきましては,広告代理店などの民間機関の専門知識,またノウハウを活用することも必要ですので,公募型のプロポーザル方式により業者選定を実施する際には,広報部門に加えまして,観光や,また企画関連など関係する部署の職員を選定委員としまして,事業効果が適切に発揮できるように努めております。 広聴広報課を中心とする組織体制とそれぞれの専門的な見識を有する民間事業者の,的確な支援の相乗効果が必要でございますので,いただきました御提言を含めまして,今後具体の検討を行い,さらに広報の充実を図ってまいりたいと考えております。 続きまして,交通の取り締まりと道路標識等に関する御質問にお答えを申し上げます。 基本的には,全ての方々に交通ルールを遵守していただく必要がございまして,交通安全教室や,また最近は高齢者の方々の事故,また高齢者の方々が時々あります逆走,そういうものの防止も含めまして,啓発を強めているところでございます。 一方では,本当に悪質な交通違反等もございますので,警察による指導や取り締まりは不可欠な部分がございます。 1つは,先ほども御指摘をいただきましたように,わかりやすい道路標識の設置ということは非常に重要になりますので,道路標識の場合は,道路管理者が国道は国,そして県道は県,市道が高知市というふうに道路管理者が分かれておりますので,道路管理者の一つの判断の中で,適切な管理をしていく必要があろうかと思います。 また,標識の設置に当たりましては,先ほどの警察当局と公安委員会が関係をしてまいりますので,そういう部分の情報共有も重要になりますので,道路標識の適切な設置につきましては,なおそういう部分の確認を含めまして,調整をしていきたいと思っております。 また,取り締まりにつきましては,基本的には警察の権限になりますので,我々が立ち入ることはできませんけれども,我々につきましては,その道路標識の適正な設置ということで対応して,また,さまざまなそういう部分での協議ということはしていきたいと考えております。 最後になりますけれども,コンパクトシティーの中の市街化区域と市街化調整区域,いわゆる線引きに関してでございます。 高知市の基本的な市街化区域と市街化調整区域の線引きにつきましては,高知県における昭和45年10月31日の決定が現在に至るベースになっております。 ほぼ50年前の線引きにはなりますが,このときの当時の市街化区域の条件ですけれども,10年後の人口の動向や産業等の推移を勘案して設定するものであり,市街化につきましては,既に市街地を形成している区域,また,その区域に接続して市街化が進行しつつある区域,また土地区画整理事業を施工済み,もしくは施工中で施工が確実な区域,また大規模な計画的な開発の見通しのある住宅の適地,工業の適地,こういうものを条件に線引きを決定されたというふうに聞いております。 社会状況の変化もございますし,また,南海トラフ地震の関係もありますので,一部これについては見直しをされております。直近の見直しにつきましては,平成24年5月に見直しをされております。 高知市におけるまちづくりの基本方針については,平成26年になりますが,2014高知市都市計画マスタープランにおきまして,高知市全体,また周辺の地域を含めてマスタープランに方向性を示しております。 高知市は御承知のとおり,城下町で町が形成をされておりますので,その城下町の区割りを生かしたまちづくりが基本のベースになっております。 それぞれの地域ごとの特色や,また歴史,また風情,そういうものがございますので,それをベースにした上で,2011年に東日本大震災の発生がありましたので,今後の南海トラフの巨大地震や津波などの影響等を踏まえて,今後とも考えていく必要があろうかと思います。 本計画につきましては,2014年に見直しをしたときに,市民の命を守ることを最優先に,災害を減ずる減災の対策,また現在の都市基盤の機能強化を図り,粘り強い施設整備と確実な避難空間の確保,このことをベースにして安全,安心な町を目指すということにしております。 これを受けまして,個別の具体の計画の中に2017年高知市立地適正化計画というものがございまして,例えば医療,福祉,商業などの都市機能を公共交通の利便性の高い区域に誘導することで,高齢者の方々や,子育て世代を初めとする住民の方々が,公共交通によってそれぞれの施設にアクセスできるようにするコンパクト・プラス・ネットワークというものを,適正化計画では目標としております。 災害時のリスク回避のために,企業の市外への移転ということは我々も避けたいと思っておりますので,市街化調整区域の土地利用を図る手法として,地区計画の制度や開発許可制度について弾力化をしてまいりました。 さらに,これから三重防護の対策が国,県におきまして進んでまいりますので,一定の防御ができる見通しが可能になりますので,それが完成した部分につきましては,一定の津波避難のエリアも修正をされ,移転希望等の状況についても,現在は浸水エリアであっても,将来はそうではないというエリアも出てくるので,そういうものも踏まえまして,開発許可の制度や地区計画制度の見直しを具体的に検討してまいりたいと考えております。 その他の御質問の項目につきましては,各担当部局長等からお答えを申し上げます。 ○副議長(寺内憲資君) 森田商工観光部長。 ◎商工観光部長(森田洋介君) 観光行政についての御質問について,順次お答えさせていただきます。 まず,小型自動車,小規模観光案内の実現についての御質問にお答えいたします。 近年,団体型のツアーでなく,個人で自由に行動する旅行形態が人気となっており,観光庁の調査では,外国人観光客の約7割以上の方が個人手配の旅行により来日しておりますことから,個人を対象とした小規模観光案内の充実は必要であると考えております。 また,御質問で御紹介をいただきましたトゥクトゥクは,昨年度に実施しました志国高知幕末維新博の第2幕開幕イベントでは,桂浜公園の駐車場と龍馬記念館を結ぶ上下交通としましても運行されましたが,移動手段自体が観光資源となる小型自動車などは,国内外の観光客の方に大変有効な観光ツールになると考えております。 現在,本市における小規模観光案内や小型自動車等を使った観光への対応としましては,認定試験に合格されたドライバーが観光地を案内するおもてなしタクシーの運行や,観光ボランティアガイドとともに市内の史跡等をめぐるまち歩きイベント土佐っ歩,海上では遊覧船の運航なども行われておりますが,今後さらに充実していく必要があると考えております。 また,小型自動車につきましては,イベント等における活用については大変有効であるということで考えておりますが,駅前における活用につきましては,他の公共機関への影響等も考慮する必要がございますので,民間事業者の事業展開の状況なども踏まえながら,観光資源としての活用方策について,今後研究してまいりたいと考えております。 次に,ナイトタイムエコノミーについての御質問にお答えをします。 高知県が公表している県外観光客入り込み動態調査報告書によりますと,平成30年に県外観光客が消費した1人当たりの額は,大型客船による観光客を除きますと2万5,233円で,その内訳は,宿泊費が6,749円と,26.7%,飲食費が6,202円と,24.6%と,宿泊と飲食が占める割合は合計で51.3%となっており,ナイトタイムエコノミーの推進により,県外観光客の皆様に夜間の観光を楽しんでいただくことは,観光消費額の底上げに大きな影響があるものと考えております。 また,昨年度実施いたしました携帯電話の位置情報を活用した観光客の移動軌跡調査によりますと,本県を訪れた観光客のうち約7割は宿泊を伴う行程となっておりますが,そのうち県内で宿泊される方は約3分の2にとどまり,残りの約3分の1の方々は松山市など県外で宿泊を行っている実態も判明するなど,ナイトタイムエコノミーの推進により宿泊客を増加させていくことも課題となっております。 御質問にもございましたように,観光客の皆様からの夜間の観光の楽しみ方がよくわからないとの声や,特に外国の観光客の皆様には地理に不案内な分,安全に夜間飲食ができるエリアやスポットを知りたいとの御要望があるのではないかと考えており,これらに対応するため,本年3月29日に開設しましたこうち観光ナビ・ツーリストセンターにおいて,夜間にも飲食を楽しんでいただける,多言語対応のまち歩きマップの作成にも取り組んでいくこととしております。 こうした取り組みを契機に,より多くの国内外の観光客の皆様に夜間の観光を楽しんでいただくことで,滞留時間の拡大を図り,宿泊客の増加や消費拡大にもつなげてまいりたいと考えており,実施に当たりましては持続的な取り組みとなるよう,周辺の商店街の皆様方などとも協議を行いながら進めてまいりたいと考えております。 次に,温泉を用いた中心市街地の活性化策についてお答えいたします。 御質問にもございましたように,昨年度,高知市商工会議所内の中心市街地活性化検討合同部会で検討を重ねられ,昨年11月に検討報告書が本市に提出されました。 この報告書では,中心市街地の歩行者通行量の東西の偏在化や中心市街地に居住する高齢者のニーズ,外国人観光客の動向などを踏まえ,詳細な分析を行い,はりまや橋周辺で温泉を掘削し,温泉施設を整備するという御提案であり,事業化が実現すれば,中心市街地東側のランドマークとしてふさわしいものになると感じているところです。 事業の実現に向けまして,本年度から引き続き協同組合帯屋町筋において詳しく御検討されておりますが,報告書でも触れられておりますとおり,用地の確保や将来収支などの検討すべき課題もありますので,県や高知商工会議所などとともに,それぞれの課題解決に向け,本市としましても積極的に支援をさせていただきたいと考えております。 最後に,動画の効果的な発信についての御質問にお答えいたします。 観光情報の発信につきましては,これまでさまざまな動画を作成し,本市のホームページサイトを初め,観光振興課のインスタグラム,ユーチューブなどで発信しておりますほか,原宿スーパーよさこいとタイアップしまして,原宿表参道のフリーWi-Fi接続時の広告掲載なども実施をしているところでございますが,閲覧数の増加に向けた取り組みが課題であると認識いたしております。 インバウンド観光へのアプローチといたしましては,昨年度から台湾の日本観光の情報ウエブサイトで最も台湾人の閲覧者が多いラーチーゴー日本におきまして,台湾の方の目線によるツアーの造成や宣伝を行い,ウエブサイト上で予約にまでつなげることのできる仕組みを構築するなど,発信力のある既存の媒体を活用した情報発信にも取り組んでおります。 一方で,御質問で御紹介をいただきました動画などを用いたプロモーションをつくる3,届ける6,効果を図る1の比重で取り組む,いわゆるサーロインの法則に基づけば,6の届けるの部分はまだまだ不十分であると認識をしており,本市の強みを分析しながら,さらに絞り込んだターゲットに的確かつ継続的に情報を発信することで,閲覧者数をふやしていくための取り組みを行っていく必要があると考えております。 情報発信の強化は,昨年度に改定しました本市観光振興計画におきましても,基本施策として位置づけておりますので,今後研究を進めながら,積極的に取り組みを進めてまいりたいと考えております。以上でございます。 ○副議長(寺内憲資君) 稲田選挙管理委員会委員長。 ◎選挙管理委員会委員長(稲田良吉君) まず,前回からの4年間,投票率を上げていくために講じてきた策についてお答えいたします。 4年前の平成27年11月にございました高知市長選から,懸案でございました商業施設への期日前投票所の設置をイオンモール高知において初めて実施し,約3,600人の方が投票いたしました。その後も28年の参議院選挙でイオンモール高知で,29年の急な衆議院解散でございましたけれども,総選挙ではイオン旭町店で期日前投票所を設置するなどをし,商業施設での開設を必ず1カ所行い,好評を得ております。 また,平成28年の参議院選挙からの選挙権年齢18歳への引き下げに合わせ,県選管が行いました県内の全高等学校への主権者教育の実施の際,土佐塾高校,高知商業高校を担当しております。 平成29年度からは,市内の小中学校7校,30年度は6校での出前授業を実施して,あわせて毎年市内の大学,専門学校に選挙をわかりやすく解説したリーフレットを配るなど,若者の投票率向上を目指しております。 さらに,平成29年度の終わりから30年度にかけ,期日前投票所の市域全体の見直しを行い,有権者が投票しやすい投票環境を目指し,市内の商業施設,ショッピングセンター,スーパー,ホームセンターなどを回り,期日前投票所設置の可能性を打診し,協力の得られた施設に4カ所設置でき,また期日前投票所を設けていなかった下知や潮江の2カ所にも新たに設置したことで,市内の全域にバランスのとれた配置ができております。 それに伴い,期日前投票所でスムーズに投票ができるよう,投票所入場券の全面見直しを行い,1人1枚のサイズで裏面に宣誓書を印刷し,あらかじめ記入をいただくことで,ほとんど待ち時間なしに投票を終えられ,好評を得ております。 こうした取り組みにより,投票環境は明らかに改善し,間違いなく投票はしやすくなっておりますが,当初の思惑どおり期日前投票率は伸びたものの,当日投票が期日前に移行した形となり,全体としては投票率がさらに下がったことは非常に残念であり,啓発の足りなさだけではない,多くの世代での政治離れなど,別の要因もあるのではないかと思わざるを得ないところです。 次に,選挙イヤーでありますことしの今後の取り組みといたしましては,本年は通常時に行っております出前授業などの常時啓発は,12年に一度,6種類の選挙のうち5種類が1年に集中する本市の場合はできませんので,選挙の際に行います啓発看板や横断幕の設置に加え,期日前投票所での選挙管理委員や明るい選挙推進協議会メンバーによる啓発活動など,選挙の際にできる啓発活動を積極的に展開し,投票率向上を目指してまいります。 ○副議長(寺内憲資君) 横山公大議員。 ◆(横山公大君) それぞれの御答弁,まことにありがとうございました。 投票に関しましては,はた議員のところにも返答がありましたように,いろんな策を講じておりますけれども,なかなか向上に至っていないということでございますので,改めて官・民・学で,またいろんな策を講じていくというふうに考えております。 また,サーロインの法則でございますけれども,6割にデジタルマーケティングを使わなければいけないんですけれども,0.5しか今はない状況でございますので,いかに厚みを持たせていくかということも,僕自身もまた考えていきたいというふうに思っております。 そして,インバウンド,大型客船なんですが,実は意図的に集客をしているわけではございません,これ,実は。幸運的に今高知に寄港しているというのが現状でございますので,今来ている海外のお客様を,しっかりハートをつかんで,リピーターにしていくというのが,実は大きな大事な要素でございますので,そちらもあわせて情報としてお届けをしておきます。 続きまして,第2問に進めさせていただきます。 今,旬の話題と言いますと,南海キャンディーズの山ちゃんこと山里亮太さんと蒼井優さんの結婚の報告がございました。この結婚報告は日本中を幸せの渦に巻き込んでおります。 山ちゃんの高知愛は非常に高く,御自身も何度も高知に訪れており,また桂浜も大好きということで何度も足を運んでおります。 先日の記者会見で蒼井優さんから高知に来たいと発せられたことは,我々高知の人間としても大変うれしく,誇りに思ったところでございます。 せっかくのこの機会,既に四万十市では新婚旅行を勝手に企画しまして,先日インターネットで随分と話題となりました。 高知市においても,水面下ではサプライズウエディングを仕掛けていくという動きもございましたけれども,改めて高知市としても市民を挙げて祝福をしてみてはどうかと考えております。 例えば空港へ多くの市民でお出迎えをしたり,追手筋や帯屋町をパレードしたり,中央公園でパーティーを仕掛けたり,話題にもなり,全国的に高知をPRできるチャンスでもあります。 観光振興にもつながる非常に貴重な機会でございますので,このチャンスをどう捉えていくか,ぜひ見解をお聞かせください。よろしくお願いします。 ○副議長(寺内憲資君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 今月5日に電撃的に発表されました山里亮太さんと蒼井優さんの御結婚の報道を受け,大変我々もうれしく思っております。結婚会見の中でも,やはり高知に新婚旅行に行きたいということでも発表していただいて,非常に高知の宣伝にもなりましたので,感謝をしております。 山里さんは辛口なトークと軽妙な語り口で,バラエティー番組をたくさん持たれておりますが,過去何度も高知を訪れていただいており,最近はよさこい祭りにも非常に多く来ていただいております。 また,桂浜水族館を非常に訪問されておられまして,コツメカワウソやカピバラなどと写したSNSの写真等がアップされていまして,非常にそういう意味でも我々も感謝しております。 特に毎年よさこい祭りのときに,はりまや橋商店街のテレビ中継の特設ブースに,基本的にはここ数年,毎年来ていますので,熱狂的に中継をされている姿や,またたまには地方車に乗っておりますので,私もこのはりまや橋商店街でお会いをし,御挨拶をさせていただいたこともございます。 また,蒼井優さんにつきましては,2010年大ヒットしました龍馬伝におきまして,福山雅治さんが演じた龍馬の長崎での恋人,お元役でしたけれども,このヒロイン役を演じておりまして,そういう意味でも龍馬伝の中でも一つのキーポイントの役割でしたので,そういう意味でも非常によかったのかなというふうに思います。 県内各地で,例えば勝手に新婚旅行を祝う会とか,いろいろできておりますが,山里さんはこれまで何回も高知へ来ていますけれども,どちらかというと,いつもふらっと一人でという感じも非常に多いので,今回2人がプライベートでの新婚旅行ということになりましたら,お二人を温かくお迎えしていただくというのがいいのではないかというふうに個人的には思っております。 また,それぞれいろんな情報があれば,お祝いをしていきたいというふうには思っております。 ○副議長(寺内憲資君) 横山公大議員。 ◆(横山公大君) 最後,ちょっとほっこりする質問でございましたけれども,御答弁をいただきましてありがとうございました。恐らくいろんな自治体が,もしくは団体が勝手にいろんな企画をされるかと思います。 思い切って炎上させまして,山ちゃん人気,蒼井優ちゃん人気を高知から醸し出していけたらどうかなというふうに思っているところでございます。 改めまして,それぞれの御答弁を本当にありがとうございました。何分初めての経験でございますので,至らない点も多々あったかと存じますけれども,本質問に至るまでお力添えをいただきました先輩議員,また市職員の皆さんに心から感謝を申し上げます。 以上で,質問を終わります。ありがとうございました。 ○副議長(寺内憲資君) この際暫時休憩いたします。  午後2時45分休憩  ~~~~~~~~~~~~~~~~  午後3時0分再開 ○議長(田鍋剛君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 神岡俊輔議員。  〔神岡俊輔君登壇〕 ◆(神岡俊輔君) 今回,当選後初の質問に立たせていただく市民クラブ,社民党の神岡俊輔です。 社民党は,憲法の3大原則である国民主権,平和主義,基本的人権尊重の理念は,市民の命と暮らしを守り,平和な高知市を目指す本市の施政方針とつながるものと確信をしております。私はその視点から議会活動を行ってまいりますので,先輩議員や執行部の方々の御指導,御鞭撻を賜りますよう,どうぞよろしくお願いをいたします。 さて,昨夜山形県沖を震源とするマグニチュード6.7の地震が発生しました。幸い死者はいない模様ですが,新潟や山形では複数の負傷者も発生し,津波注意報も発表されました。今後,被害の詳細が明らかになってくるものと思いますが,私たちも気を抜くことなく,緊張感を持って日々の公務に当たることを再認識させられた次第です。 少し自己紹介をさせていただきます。 私は昭和32年に高知市で生まれ,ずっとこの高知市で暮らしてまいりました。その間,自然豊かなこの高知で家族や友人らと,海や川,あるいは山などでの遊びを通し,さまざまな経験を積みながら育ってまいりました。 反面,この間数多くの自然災害も経験をしてまいりました。昭和45年8月の台風10号では,当時中学生だった私は桜井町に住んでおりまして,自宅の浸水被害を経験しております。また,47年9月には,集中豪雨による比島山での山崩れ災害を目の当たりにし,たしか私と同年代の方も亡くなっていたと記憶しております。 昭和50年,51年の連年の台風災害も経験し,51年の台風17号の際には復旧作業にも携わりました。また,それら以外にも,被害はなかったものの,台風による停電の中,家族と朝まで不安な一夜を過ごしたこともありました。いかに本市が風水害に脆弱な土地であったのかを,肌で感じながら暮らしてまいりました。 そのような私が縁あって,昭和57年4月から昨年3月まで,高知市消防局に36年間勤務をしてまいりました。その間,火災,救急救助,風水害など,あらゆる災害現場で活動をしてまいりました。 中でも忘れがたいのは,平成10年に本市を襲った,いわゆる98高知豪雨でした。9月24日の深夜,本宮町の旭出張所から大津地区へ向かった私たち消防隊は,夜を徹しての救出作業となりました。 その救出に当たった際,住民の方々が一様に,突如濁流に襲われた恐怖,自宅が水没する無念さ,そしてこれからの生活再建への不安など,さまざまな感情が言葉であったり表情であったり,痛いほど伝わってまいりました。 しかしながら,当時の私の一消防士の立場では,その場で救出することはできても,今後の生活への不安や,自宅の後片づけや掃除,新たな家財の購入費用など,その後の身体的・経済的負担など,山積する課題に対する不安の解消には何の力にもなれませんでした。 しかし,このたび市議会議員という立場をいただき,事前の防災・減災対策はもちろんですが,現場の救出活動から被災後の生活再建に至るまでかかわらせていただけるようになりました。 私の消防での36年間の現場経験が本市の防災対策,減災対策,復興対策にお役に立てるよう全力で取り組んでまいりますので,岡崎市長を初め,執行部の皆様方の御理解,御協力をよろしくお願いをいたします。 では,質問に移らせていただきます。 最初に,消防体制についてお尋ねします。 現在の消防体制については,この秋の中央消防署の開署により,一定,署所再編が完了となりますが,今後はこの体制で南海トラフ地震などの大規模災害の対応に向け,運用面での充実が問われることになります。 例えば災害時の初動を担う現在の消防局の実員は366名ですが,日勤職員が退庁した17時15分以降や土日などの休日には,本部の総合指令課の人員を含めても100名弱程度の人員しか当直をしておりません。これには年休や研修要員を含まない数字です。 また,これを補完していただけるのが消防団員さんなんですけれども,現状では定員900名に対し実員は795名で,定員割れの状態です。 この体制で消防はあらゆる災害に当面対応しなければなりませんが,この現状を含め,市の中での消防局の位置づけ,また今後の消防体制をいかがお考えか,岡崎市長の御所見を伺います。 次の質問に移ります。南海トラフ地震発生後の長期浸水対策について,お尋ねします。 本年3月29日,高知市は津波避難ビルなどで孤立した被災者を10日以内に救出する目標を盛り込んだ救助・救出計画の基本方針をまとめました。 それによりますと,最大クラスの地震・津波が発生した場合,本市周辺の地盤は1.95メートル沈降し,最大2,800ヘクタールが長期浸水すると想定されています。 その基本方針では,下知,潮江,高須,江ノ口の4エリアを中心に長期浸水が発生し,浸水地域の夜間人口は12万1,000人だと推定。このうち,干潮時でも水が引かず,自力避難が困難なエリアの人口を4万人だとしております。 地震後に,浸水区域外に自力で避難できる方などを除くと,孤立するのは2万8,000人だとし,当初これらの方々の救助完了までに要する日数を21日とするお考えであったようですが,これを10日に短縮できるよう対策を進めると,非常に前向きなお考えで,これは市民にとっても非常に頼もしく,心強いことだと思います。 検討会では,関係機関との具体的な救出や情報収集の方法をまとめた上で,2019年度中に救助・救出計画を策定するとのこと。 それにしても,2万8,000人を10日間でというと,1日当たり2,800人にもなります。また,これらの方々の中には,自力避難が困難な高齢者や障害者の方,避難行動要支援者と言われる方々も多く含まれることが容易に想像できます。 また,これらの方々の救出に当たっては,緊急消防援助隊あるいは自衛隊など他機関からの応援部隊が到着するまでの間,本市の消防職・団員の皆さんが第一線で実働に当たることになります。 私の経験上,このような場合,現場に向かうのは,現在の6名定員のボート1そうに隊員が3名乗船し,現場の津波避難ビルに到着後は,操縦者を残し,うち2名がビル内に入り,情報収集と報告,救出作業に当たり,その後被災者をボートに乗せ終えると,場合によっては1名の消防隊員を連絡要員として現場に残し,残り2名で避難場所へ搬送するという対応になると思います。 現在,本市が保有するボートの数,あるいはボートを操縦できる職員数などで,1日当たりどれだけの人員を搬送できるとお考えなのか,消防局長にお伺いをいたします。 また,不足するとすれば,今後民間の協力も含め,どのぐらいの数のボートや人員,関連する装備を整備すれば,本計画の救助・救出計画を達成できるとお考えか,これは防災対策部長に,現在の所見をお伺いいたします。 次の質問に移ります。 この10日間のうち,後半は緊急消防援助隊や自衛隊,警察等の他機関からの応援体制も充実してくると思いますが,とりわけ早急に医療機関への搬送の必要がある方々は,最初の2日間あたりに集中してくると思います。 消防はその初動の一番重要な場面を担うわけですが,その混乱した現場で消防隊員や救急隊員らは,避難された方々のトリアージをしながら救出作業をすることになるでしょう。 トリアージというのは,御承知のことと思いますが,けがや症状に応じた傷病者の搬送の優先順位を決める現場での重要な決断となります。震災直後の混乱の中,十分な装備や通信手段が見込めないとすれば,困難な作業になることは容易に想像できます。 そういった場面で,収容可能な避難所や医療機関に少しでもスムーズに連絡がとれるように,現場の消防隊員や救急隊員たちを支援する体制づくりや本部機能をいかにお考えか,消防局長に所見を伺います。 次に,本年度から運用が開始された高知市津波SOSアプリについてですが,私も早速インストールをしております。 これはたとえインターネット回線が使用不能になったとしても,スマートフォン内蔵のWi-Fi機能を利用してスマートフォン同士でリレーをし合い,災対本部まで現場情報をつなぐことができるという,緊急時において大変頼れる機能が充実したアプリだと思います。 このアプリはできるだけ多くの皆様方にインストールをしていただくことにより,より一層信頼性,確実性が高まってくるアプリだと思いますが,今後の市民の皆様への周知についていかがお考えか,防災対策部長の所見をお伺いします。 また,このアプリの中の津波避難マップという部分をタップして見てみると,津波避難ビルと高台への入り口は表示がされておりますけれども,津波避難タワーは表示をされておりません。 何らかの理由はあると思いますが,このことについて,防災対策部長に理由をお伺いいたします。 次に,消防職・団員の皆さん方の安全管理対策についてお伺いします。 冒頭でも述べさせていただきましたが,私は平成10年,いわゆる98高知豪雨の際,本宮町の旭出張所で消防隊として勤務をしておりました。9月24日,この日は日中から降りやみのない大雨が続いておりました。 署で待機中の22時ごろだったと記憶しておりますが,比島橋北詰で床上浸水による救助出動の指令が入りました。私たちはポンプ車に乗り込み,緊急走行で現場に向かいました。 現場に着くとすぐに,平家建ての木造住宅の居間で立ったままおなかまで濁水につかり,茫然としていたお年寄り1名を見つけ,励ましながら背負って救出し家の外に出たところ,それを見た近くの高台のおうちの方が,うちでお預かりしますと声をかけていただきましたので,そのときの隊長の判断で収容をお願いし,署に帰りました。 帰署後,ぬれた服を着がえ,次の出動に備え,車両や装備の点検をしていたとき,また救助出動の指令が入りました。今度はボートを牽引して大津地区に向かえとのことでした。 地元の旭地区を離れて大津地区までかと,疑問に思いましたが,命令どおり,緊急出動で大津に向かいました。途中,はりまや橋付近でも道路冠水が認められ,このまま東へ向かうことに不安を感じたことを覚えております。 新国分川橋を越え,大津バイパスをさらに向かうと,消防車のタイヤの半分くらいまでの冠水となり,エンジンへの影響を防ぐため,スピードを落とさざるを得ませんでした。大津の食品工業団地付近に達すると,前方からの水の勢いがさらに強くなり,それ以上前に進むことができなくなりました。 隊長は本部に現状を報告し,本部から,その場で一時待機するよう命令がありました。時間にして20分程度だったと思います。 その後,本部からの無線で,南国バイパス方面からアプローチせよとの指令が入り,消防車を反転させ,少し西に向かうと,間もなく一気に車内に水が浸入してきました。 その瞬間,エンジンもとまり,バッテリーも水没したことから,救助要請をしようにも無線も使えなくなりました。20分ほど前に通過したばかりの大津バイパスの水位が,一気に上昇していたのです。私たちが行方不明になった瞬間でした。 さて,長々と私の体験を披露させていただきましたが,現場の消防隊員や消防団員の方々は命令に従い,本当に日々命がけで任務を果たそうとしております。それは今も昔も変わることのない崇高な使命感によるものです。 ただ,その使命感があだとなり,東日本大震災では,消防職員27名,消防団員254名もの方が殉職あるいは行方不明となりました。最前線で対応に当たる消防関係者の安全をどう確保するかが当時も課題となりました。 そこで,お尋ねします。 現在,災害現場での消防隊員や消防団員さんらのそれぞれの位置情報を,本部あるいは現場本部が把握するための装備,例えば現在ですと,GPSを利用した機器などの個人装備の導入であるとか,また,それらを包括的に管理するシステムの導入などのお考えがないか,消防局長に所見をお伺いします。 また,これらの機器は,春と秋のお彼岸の際によく発生する筆山の山林火災発生時においても,広範囲に展開している隊員の位置を正確に把握することが可能となり,隊員の安全管理や指揮本部の作戦の立案に寄与することと思います。 また,これらの装備は,消防関係者のみならず,災害時に活動する本市の道路関係部署や河川関係部署など現場に赴く市職員の安全管理のためにも,全市的に導入の必要があると考えますが,岡崎市長のお考えをお伺いします。 次に,津波避難ビルへの備蓄品についてお尋ねをいたします。 現在,本市では315の津波避難ビルが指定をされております。その指定に当たって,御理解,御協力をいただいたビルの所有者,管理者の皆様,また本市の職員の御努力に敬意を表します。 さて,その津波避難ビルの中には多数の共同住宅やマンションが指定されておりますが,それらの避難スペースは主に4階以上の廊下や,エレベーターホール等の共用スペースが避難場所に指定をされております。 建物内の内部廊下であれば,外気の影響も比較的少ないと思いますが,施設によっては外気に面した廊下,あるいは屋上の場合もあります。 津波避難ビルですので,近くにいる方は,強い揺れの後,すぐさま避難を終えることができますけれども,何らかの理由で避難がおくれ,浸水の中を逃げてきたような方は全身がずぶぬれであることも考えられることから,避難場所が外気にさらされる環境にある津波避難ビルについては,別途乾いた衣類やタオル類など,特別な備蓄品も必要であると考えます。 特に冬場の発生であれば,低体温症により命を失う危険もあることから,命からがらせっかく助かった命を失うようなことがあるようであれば,津波避難ビルを有効に生かせなかったということにもなりかねません。 今後は,備蓄品もそれぞれの津波避難ビルの条件に見合ったものの備蓄を図る必要があります。このことに関する今後の取り組みについて,防災対策部長の御所見をお伺いします。 これら一連の長期浸水対策や救助・救出計画,備蓄計画を充実させることは,98高知豪雨のような水害時にも生かせますので,しっかり取り組んでいただきたいと思います。 次に,津波火災についての質問に移ります。 昨年10月16日,高知県危機管理・防災課による第6回石油基地等地震・津波対策検討会のがれき等拡散シミュレーションが公表されました。 それによると,2011年の東日本大震災では,宮城県気仙沼市を初め,多くの沿岸地域で,津波に伴う被害だけでなく,複数の漂流物の衝突,瓦れき化による漂流,拡散及び石油タンクなどから発生する油の流出,拡散による火災が発生し,市街地に燃え広がるといった被害が発生をしております。 浦戸湾沿岸地域においても,昭和南海地震以降に石油の油槽所やガスの充填所などが集積し,石油については県内の約9割の燃料を供給している状態であることから,同様の被害のおそれがあります。 石油・ガス施設や浦戸湾沿岸域における地震・津波対策は,避難した住民が火災に巻き込まれるといった最悪の事態を防ぐためにも大変重要であります。 さらに,この地域内には多くの津波避難ビルが存在しており,火災漂流物が津波避難ビルに避難した住民に危険を及ぼす可能性も否定できません。 さきのシミュレーションによると,発生可燃物密度が1平方メートル当たり30キロ以上集積すると,火災危険度が高まるとされております。 L1津波では瓦れき発生量が少ないため,火災危険度が高いのは,瓦れきが流れによって集積する皿ケ峰の南西エリアだとされていますが,さらに巨大なL2津波では,建物と木材瓦れきが多く発生し,さらに油の流出が最悪のケース,これは湾内全ての石油タンクの油が流出したとの想定の分布を重ねると,最も火災危険度が高い地域は,無風時は北西部と北東部の市街地,東風では北西部の市街地と皿ケ峰の東側,西風と南風では北東部の市街地,北風では皿ケ峰の東側の地域となっています。 ちょっとイメージしにくいんですけれども,市内北西部とはJR高知駅付近を中心とするエリア,北東部とは大津バイパスから田辺島通駅付近の水田及び住居エリア,あとは皿ケ峰の東側が危険な領域だと示されています。 このがれき等拡散シミュレーション結果を踏まえ,今後本市における津波による火災対応について,どのような取り組みをお考えか,消防局長にお伺いをいたします。 2011年の東日本大震災の際,岩手県,宮城県,福島県など地元消防本部の津波火災の実態を調べましたところ,ほぼ津波襲来直後に何らかの火源で同一地域で複数の火災が発生し,また,それぞれが合流し,大規模火災に至ったことや,津波の押し引きにより湾内を漂流し,移動,延焼範囲を拡大させたとの報告もありました。 また,津波で押し流された住宅や瓦れき等は山によって行く手を阻まれ,多くが山際に集積され,何らかの火源により発生した火災により,山際の瓦れき等を伝い,延焼拡大したとされています。さきのシミュレーションによる皿ケ峰東側の状況が非常に酷似しております。 さて,この際のそれぞれの消火活動実態ですが,住民による消火活動は,みずからの避難と,津波で流されてきた人々の救助に集中し,初期消火活動はほぼなされていませんでした。 また,消防署や消防団員らも津波により多くの職・団員が犠牲となり,消防車両も甚大な被害を受けたため,通常どおりの活動はできなかったと述べております。 ようやく消火に当たれたとしても,浸水範囲のほとんどの道路が津波により流されてきた瓦れき等に覆われており,走行できる状態にはなかったこと,また,消火栓はすぐに使用不能となり,浸水範囲外の防火水槽を使ったり河川をせきとめたりして,ようやく水利を確保したものの,その設営に長時間を要したことや,その上,火災現場まで距離があったことから,長距離送水の必要があり,数少ないポンプ車を何台も中継に使用しなければならず,結果的に火災現場での放水口数が不足し,延焼防止が精いっぱいだったということです。 加えて,ポンプ車が海や河川からのいわゆる自然水利から取水した際,引き潮時には水位が低下し,水量が不足,押し波時には護岸から越水し,消防隊員が退避しなければならない状況も生じたことから,安定した送水は望めなかったと言います。 その上,津波襲来の情報があった場合,延焼が拡大していた状況においても,消防隊員の安全確保のため,浸水区域外まで一時退避を行っており,この際,水の入った重いホースの移動や撤収は困難であったため,現場に残さざるを得ず,退避中に火災が拡大し,ホースなどが焼損する状況が複数発生し,その交換作業のため多くの時間を要し,活動再開の大きな障害になったとのことです。 また,津波からの一時退避後,隊員が離れ離れになった場合,お互いの安否確認ができない状況も発生をしておりました。このことは,さきに述べた隊員の位置情報の管理体制の整備が急がれることを示しております。 震災後,たとえ消防庁舎や車両に被害がなくても,火災現場までの道路が津波瓦れきにより通行不能となり,結果として放任火災となった事例も多数生じ,大規模火災に至ってしまったのです。 以上のことから,津波浸水区域内の火災は消火が非常に困難であることが明確になりました。 今後の本市の対策としては,津波浸水区域外に自然水利を含む大規模な消防水利の整備と,一定数の可搬式消防ポンプも整備しておくことが有効であると考えます。 また,現在の耐震性防火水槽の運用は,消防隊や消防団が使用することを前提としておりますが,震災で道路の液状化や電柱の倒壊などで消防ポンプ車が防火水槽までたどり着けない場合は,現状では防火水槽は宝の持ち腐れになってしまいます。 まずは,津波浸水区域外の耐震性防火水槽へは可搬式消防ポンプをセットで整備し,地元の自主防災組織や消防団が訓練を重ねておくことが有効であると考えますが,この点について,消防局長に所見を伺います。 また,現時点で自主防災組織のうち,可搬式消防ポンプを整備し,訓練をしている組織は幾つあるか,消防局長にお示しをいただきたいと思います。 最後に,政府による南海トラフで巨大地震が発生する危険性を長期に示す長期評価では,マグニチュード8を超す発生確率が,30年以内に70%から80%になりました。 私が平成14年に消防局から当時の総務部防災対策室に出向していたときには,この長期評価による30年確率が40%だと言われておりました。わずか17年前のことです。 このときからよく防災関係者の間で言われていた3原則があります。疑わしきは行動せよ。最悪を想定して行動せよ。空振りは許されるが,見逃しは許されない。これは現在にも通ずる防災の原則であり,防災関係者のみならず,本市職員の皆様方にもいま一度心に刻んでいただきたいと思います。 98高知豪雨の際は,職員の非常招集がタイミングを逸したのではないかと言われたこともありました。 最近は南海トラフ地震対策ばかりに目が向きがちですが,昨年平成30年7月豪雨と命名された6月28日から7月8日にかけて西日本を中心に全国的に広い範囲で記録された,台風7号及び梅雨前線等の影響による集中豪雨災害では,本県も高知自動車道が土砂崩れで深刻な被害を受け,高知県内でも3名の死者が出るなど,台風や集中豪雨災害にもまだまだ気を抜くことはできません。 ことしも,梅雨入りはまだなんですけれども,間もなく雨季を迎えようとしております。疑わしき行動し,最悪を想定して行動し,空振りを恐れず,先手先手の御判断を申し上げまして,全ての質問を終わりたいと思います。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 質問議員さんにおかれましては,災害関係のプロとして市勢の発展に向けまして,今後ともよろしくお願いを申し上げたいと思います。 消防の体制につきまして,私のほうから2点お答えを申し上げたいと思います。 まず,現状の消防体制についての考え方に対する御質問をいただきましたので,私のほうからもそれに対するお答えを申し上げます。 消防局の位置づけですけれども,消防局は災害に対応し,市民の皆様方の命と身体,財産を守り,安心と安全を担う,いわゆる極めてプロの集団でございまして,そのプロの集団の皆様方が活躍しやすいようにという思いで,各署所の再編や機構改革を含めまして,消防体制の充実・強化を積極的に図ってまいりました。 具体的には,2011年の東日本大震災の教訓から,消防活動拠点の重要性を私自身も再認識をし,またこの東日本大震災では多くの消防職員,消防団員が亡くなりましたので,まずはその職員の方々の命を守るという観点でも,それぞれの施設整備を進めてきたところでもございます。 平成27年3月に消防署所の再編計画の2015を策定し,この27年にはその3署の新築に向けた,まず最初の南消防署南部分署を春野町に整備をいたしました。 また,その2年後,平成29年に北消防署を現状の日赤病院の前に開設をいたしまして,非常に重要な消防拠点が北部に整備をされました。 そして,最後になりますけれども,ことしの10月に中央消防署を開設するということになっておりまして,今工事も順調に進んでおりまして,ことしの10月の開署というめどが立ってまいりました。 これとあわせまして,機構の改革の中でも総合指令課及び救急課を新設し,現状で5つの課,5課4署4出張所体制に再編をしておりますので,この4年間,特にハード整備が順調に進んで,相当施設を含めまして消防の体制が強化できたと考えております。 また,消防の定数につきましても,昨年の4月に消防職員の定数15名増員をしておりまして,消防の定数は369名とした上で,ことしの10月の中央消防署の開署に合わせまして,救助隊の増設や特別消防隊を新設するということになっております。 また,消防署所のそれぞれの新設に伴いまして,四国でできるだけ最先端の訓練施設という思いもありまして,北消防署には全国で初めてパンケーキクラッシュ,3階,4階の中層階がぐしゅっと潰れるのをパンケーキクラッシュといいますが,神戸の震災のときに非常に多く出ましたので,そういうパンケーキクラッシュが起こったビルやホテル,そういう中に突入する訓練のための施設を,全国で初めて設けました。 また,この10月にオープンします中央消防署のすぐ横には,四国で最大規模の高さ30メートルの高層の訓練塔を整備しておりまして,この30メートルの訓練塔の中にホテル,テナント,そしてマンション,こういう部屋をそれぞれ設けておりますので,それぞれのベランダもしくはドアから突入する訓練ができるようにしておりまして,四国で最大規模のものということになっております。 複雑多様化する各種の災害や,また災害の現場もさまざまな現場がございますので,どういう場面であっても消防隊員が対応できるようにということで,できるだけ最先端の訓練塔を整備してまいりました。 また,もう一つは,消防の団ですけれども,消防の団の拠点となります屯所につきましても,順次高台移転を含めまして建てかえを進めてきておりまして,江ノ口の分団屯所等がその建てかえの関係で一部残っておりますが,これまで順調に整備ができております。 また,消防団員の減少が課題になっておりますので,平成27年から消防団員で構成をされます高知市消防団情熱向上プロジェクトチーム,今年度から名前が高知市消防団みらいプロジェクトというチームに名称が変わっていますが,消防団員の方みずからが高知県内の県下のそれぞれの大学に出向いて,大学生を中心に消防団員の募集をPRすることなどの取り組みを行っていただいており,消防団の活性化と団員の確保に努めていただいているところでございます。 消防行政を取り巻く環境につきましては,近年急激に変化をしておりますので,多様な訓練施設などを活用しながら,人材育成並びに先ほどの装備を含めたソフト面の強化を図ってまいりたいと考えております。 2点目に,高知市職員を含めます災害時の現場職員の安全管理への対策について,御質問にお答えを申し上げます。 災害応急活動に当たりましては,現地で対応している職員の位置情報や現場の状況を災対本部で把握することは,職員の安全管理を行う観点に加えまして,その後の活動の方針を定める方向性や円滑な災害対応,その増強や増員をする場合の判断からも非常に重要だと考えております。 98豪雨のときは非常に突発的な豪雨でございまして,それぞれ高知市役所も困難な部分が大変ございましたけれども,平成26年8月豪雨の中でも,鏡地域や土佐山地域といった中山間地域におきまして,一時災害発生の状況を正確に把握することが難しくなり,また応援職員の増員ができなくなる事態もございましたし,あのときはかなり中山間等で帰れなくなった民間のそれぞれの企業の方々,また市の職員の方々等がおりました。 このため,現在本市の災害対策本部では,中山間地域の災害現場の状況や,それぞれの職員の位置情報等をリアルタイムに把握するために,災害情報支援システムを導入し,平成27年7月から運用を行っております。 このシステムは,専用のアプリケーションをインストールしたスマートフォンを介しまして,現場対応の職員と相互に音声通信ができるほか,災害現場の画像や動画,また位置情報を災害対策本部のパソコンに直接送って確認ができるということになっております。 今年度,災害が発生する場合に,現地確認や応急対策の応急対策班,これは災対本部の一つの班ですが,応急対策班に持たせるために,このシステムをインストールしたスマートフォンを4台ふやしまして,合計8台を活用しまして,これを持たせて現地に行かすということの準備も進めております。 また,消防局では,現場の隊員の支援のために災害情報支援システムと同様の機能を有します災害時オペレーションシステムの導入を検討していると聞いておりますので,今後それぞれのシステムを実際に活用し,その効果を検証しながら,災害時に活動する職員の安全管理,またスムーズな円滑なそれぞれの現場対応を含めまして,住民の皆様方の安心,安全につながる対応を今後ともしていきたいと考えております。 その他の御質問については,各担当部局長等からお答え申し上げます。 ○議長(田鍋剛君) 松村防災対策部長。 ◎防災対策部長(松村和明君) 長期浸水対策に関する御質問に順次お答えをいたします。 まず,救助,救出に関してでございますが,本年3月に策定いたしました高知市救助救出計画基本方針には,干潮時でも浸水が解消されないエリアを特定し,応急救助機関の人員やボート等を集中的に投入する活動エリアを定めており,このエリアでは救助,救出が必要となる孤立した避難者の方々が約2万8,000人に上ると推計しております。 この方々を,平成24年度に高知県が策定しました南海地震長期浸水対策検討結果で使用しました条件でございますボート1艇当たりの救助可能人数3人,1日当たりのボート1艇の往復数5往復を用いまして,現在本市の消防や警察等応急救助機関が所有しておりますボート数117艇を使い,救助,救出するために必要となる日数を計算しますと21日となります。 また,応急救助機関の人員につきましては,ボート1艇当たり2人から3人としておりますことから,ボート運用に係る全体の必要人員は300人程度を想定しております。 この計画に基づき,仮に一部の孤立者の方々が21日間という長期間にわたって避難場所にとどまることになれば,衛生状態の悪化による体調不良のほか,精神的な不安や負担を与えてしまうおそれがありますので,本年度策定いたします高知市救助救出計画では,救助・救出完了の目標日数を地震発生後10日間以内として検討することとしております。 救助,救出にかかる日数の短縮方法としましては,1日当たりのボート1艇の往復数を見直すことや,応急救助機関の応援部隊等の想定を考慮することなどが考えられますが,検討の過程で,10日以内に救助,救出が困難となった場合には,ボート等の資機材の必要量を明らかにし,消防,警察,自衛隊等の応急救助機関とも十分協議の上,必要な人員の確保や資機材の整備等を進め,10日以内の救助,救出を達成したいと考えております。 次に,高知市津波SOSアプリの周知に関する御質問にお答えをいたします。 高知市津波SOSアプリの当初のインストール目標は1万台としておりまして,本年4月1日の運用開始以降,新聞報道や本市広報紙あかるいまち,フェイスブック等で市民の皆様へ周知を行ってきております。 加えて,庁内職員向けにも庁内掲示板や放送等で広報を行うなどし,6月7日時点で約8,200台のスマートフォンにインストールをしていただいております。 御質問をいただきましたように,このアプリは,大規模災害が発生した際に避難者の方々がSOS情報を本市の災害対策本部に直接送信することができるもので,通信回路等が断絶した場合でもスマートフォン間をバケツリレーのようにしてSOS情報を伝達する仕組みとなっておりますことから,インストールをしていただいている端末が多ければ多いほど,伝達の確実性が高まってまいります。 このため,より多くの市民の皆様にインストールをしていただきますよう,今後も自主防災組織を初めとする防災の関係団体の皆様へのチラシ配布や携帯電話会社の販売ショップへのチラシ配布等,幅広い周知活動を進め,当初目標の1万台を通過点として,さらにインストール台数をふやしていくことを目指してまいります。 次に,高知市津波SOSアプリでの津波避難タワーの表示に関する御質問にお答えをいたします。 高知市津波SOSアプリは,長期浸水エリアで津波から避難をした避難者が津波避難ビル等で孤立した状態となった場合に,避難情報を送ることができるように開発したもので,避難情報発信機能のほか,平常時から津波の避難場所を確認できる機能,津波避難マップを備えております。 この津波避難マップは当初,長期浸水エリアに対応するものとしておりましたが,平常時の活用を考え,津波避難ビル及び津波避難路を表示するように変更したため,御指摘をいただきましたとおり,津波避難タワーにつきましては,マップ上で確認できない状態となっております。 津波避難タワーは,津波から避難をするために整備されたものでありますので,避難場所を確認する津波避難マップで確認できるようにする必要がございまして,現在アプリの管理事業者と表示について調整を進めており,今月中にアプリで確認できるようになります。 次に,津波避難ビルへの備蓄品に関する御質問にお答えします。 本市における津波避難ビルの指定の状況は今年度当初で315施設となっており,その合計収容人数は約26万7,000人となっております。 この津波避難ビルに避難された方々は,津波のおそれがなくなるまで,あるいは救助,救出されるまでの間,津波避難ビルで一時的に滞在することとなりますので,本市では,守った命をつなぐ対策として,最低限必要となる簡易トイレセット,防寒用アルミシート,外部との連絡用ゴムボート,救助サイン用資機材及び飲料水を配備することとしております。 津波避難ビルへの備蓄につきましては,各施設で御協力をいただけるスペースが違っておりますことから,施設の所有者や管理者の方々と資機材の種類や数量と,その配備スペースについて事前に調整を行い,可能な限りの資機材を配備しているところでございます。 また,将来的に古くなった資機材の入れかえや,御提案をいただいた低体温症を防ぐ乾いた衣類,タオルなどの配備など,施設の条件と合わせて検討する必要があり,さまざまな課題解決が必要であると認識をしております。 今後は,自主防災組織が行っております津波避難ビルを使用した避難訓練などを通じまして,施設の所有者や自主防災組織の皆様から御意見をいただいた上で,課題の研究を行いながら,引き続き津波避難ビルの指定の推進と適切な資機材配備に努め,守った命をつなぐ対策を推進してまいりたいと考えております。 ○議長(田鍋剛君) 本山消防局長。 ◎消防局長(本山和平君) 消防行政に関する御質問に順次お答えいたします。 まず,長期浸水対策のボートについてでございますが,本市が保有するボート数は,消防局が35艇,消防団が33艇の合計68艇でございまして,ボートの操縦に必要な小型船舶免許は消防職員179名,消防団員222名の合計401名が保有しております。 次に,1日当たりの搬送可能人数ですが,先ほど防災対策部長の答弁にもありましたとおり,平成24年度に高知県が策定しました南海地震長期浸水対策検討結果の条件をもとに,本市の保有する68艇のボートがフルに活用できることとして試算しますと,68艇掛ける3人掛ける5往復の1,020人が1日当たりの救出可能な人数と考えております。 次に,現場活動の支援体制や本部機能に関する御質問にお答えをいたします。 大規模災害時における収容可能な避難所や受け入れ可能な医療機関等の情報につきましては,発災直後に設置をいたします市災害対策本部や医療対策本部などの各種災害対応機関と連携をとりながら,消防対策本部で取りまとめ,現場で活動する部隊に必要な情報を伝達することとしております。 御質問をいただきましたとおり,大規模災害発生時には,混乱した現場での消防活動は困難をきわめますので,現場隊員がスムーズな消防活動を行うためには,消防対策本部での正確な被害状況の把握が必要となりますことから,平成28年度から専門機関と共同で,より効率的な消防活動を行うための災害時オペレーションシステムについて,調査,研究を行っているところでございます。 この災害時オペレーションシステムは,災害現場の状況と職員の位置情報を,スマートフォンを使用して消防対策本部が受け取り,災害現場の正確な位置やその状況等を把握することが可能となりますので,消防対策本部での被害状況の集約や活動部隊の管理などが,より迅速で正確なものになると期待しております。 現在,具体的なシステム構築の検討を行っているところではありますが,他消防本部では既に導入を予定しているところもありますので,その取り組みも参考にさせていただきながら,導入に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。 次に,消防現場での安全管理対策に関する御質問にお答えをいたします。 先ほど申し上げましたとおり,現在災害時オペレーションシステムの導入に向け検討しているところでございまして,御質問のありました職員,団員の位置情報の把握につきましても,あわせて調査,研究してまいりたいと思っております。 次に,津波火災対策に関する御質問にお答えをいたします。 まず,津波による火災対応についての取り組みでございますが,高知県が平成30年に開催いたしました第6回石油基地等地震・津波対策検討会におきまして,がれき等拡散シミュレーションが示されましたので,この対策を検討するため,消防局では本年4月に津波火災対策検討会を設置いたしました。 この検討会では3つの作業部会を開催しております。1つ目には漂着物火災対策検討作業部会,2つ目としまして漂流物火災対策検討作業部会,最後の3つ目としまして漂流油の火災対策検討作業部会の3つの作業部会を設置し,火災性状に応じた防御戦術を検討することとしております。 検討のベースとなる被災想定は,がれき等拡散シミュレーションに合わせ,最大クラスのL2とし,事前対策と応急対策に分け,検討を始めておりまして,本年度内に津波火災に関する基本的な防御計画を策定し,次年度以降に各署での防御計画などを策定することとしております。 次に,耐震性防火水槽への可搬式消防ポンプの整備と自主防災組織の訓練に関する御質問にお答えをいたします。 耐震性防火水槽と可搬式消防ポンプのセット整備につきましては,可搬式消防ポンプの保管場所の確保や維持管理の課題に加えまして,防火水槽ふたの重量が約40キロと非常に重いこと,また開口部の直径が約60センチメートルで,転落防止の金具が設置されていないものが多く,消防職員,団員以外での使用には危険を伴いますことから,防火水槽への可搬式消防ポンプのセット整備は課題が多いと考えております。 一方,自主防災組織と地元消防分団の連携は,大規模災害発生時に火災による被害を最小限にとどめるためにも最も重要と考えておりますので,地域防災力のかなめである消防団が中心となり,地域住民と連携,協力しながら迅速な初期消火活動が実施される体制づくりが必要であると考えております。 そのため,本年度から消防団員に対しまして,地元地域の防災リーダーとなる消防団防災リーダーを育成することとしておりますので,自主防災組織と連携した訓練を実施し,さらなる地域防災力の向上を図ってまいりたいと考えております。 最後に,自主防災組織の可搬式消防ポンプの整備状況などに関する御質問にお答えします。 まず,現在可搬式消防ポンプを保有している自主防災組織は5つ,5カ所と聞いております。このうち,消防局の立ち会いによりまして訓練を実施した自主防災組織は3カ所の自主防災組織でございます。 ○議長(田鍋剛君) 神岡俊輔議員。 ◆(神岡俊輔君) 答弁をありがとうございます。 先ほど,消防局長の答弁の中で,ボート68艇で3名で5往復,千何人やったですかね,人数は。そうやったら2,800人になかなか届かない数字だと思うので,その辺,足りないなら足りないで,またしっかり整備もほうもお願いしたいと思います。 災害時のオペレーションシステムですか,他の消防本部でも導入したところは,もう既に導入実績のあるところはあるんですか。ないですか。それについては。 ○議長(田鍋剛君) 第2問をしてください。 本山消防局長。 ◎消防局長(本山和平君) 導入を検討しているところはあるとは聞いておりますが,導入済みのところはないと聞いております。 ○議長(田鍋剛君) 神岡俊輔議員。 ◆(神岡俊輔君) わかりました。ぜひ前向きにお願いいたします。 全ての質問に対し,それぞれ御答弁をありがとうございました。 繰り返しになりますけれども,長期浸水対策は水害対策にもつながる有効な計画となり得ますので,速やかな対応と一層の充実を求めたいと思います。 また,津波火災対応は非常に困難であることがはっきりしましたけれども,消火のノウハウをお持ちなのは消防局しかありませんので,消防局にはぜひプライドを持って積極的に対策を検討していただき,市民の負託に応えていただきたいと思います。 以上で,私からの全ての質問を終わります。ありがとうございました。  ~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(田鍋剛君) お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ,延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(田鍋剛君) 御異議なしと認めます。よって,本日はこれにて延会することに決定いたしました。 6月20日午前10時再開いたします。 本日はこれにて延会いたします。  午後3時53分延会...